![]() |
![]() |
<<ホーム>> |

約三千人の警備隊が配置され、厳戒態勢の中で実施された四月二十六日の北京五輪・長野聖火リレー。出発地を辞退した善光寺では同日、一連の騒乱で犠牲となったチベット族・漢族すべての菩提を弔う追悼法要が営まれた。また、地元長野の寺院や全国から参集した仏教者たちは、チベットの自由と平和、人権尊重を訴える活動を各地で展開した。
「われわれもチベット人と同じ仏教徒」と中国によるチベット弾圧を理由として十八日に出発地返上を決定した善光寺。法要前日の記者会見で、同寺の僧侶有志らが中心となって設立した「平和を願う僧侶の会」代表の若麻績(わかおみ)敬史・浄土宗善光寺大本願一山徳行坊住職は、北京五輪の平和的実現への支持を表明、五輪憲章の掲げる平等の理念と仏教徒の理想が重なることに言及し、「国や民族、宗教などの差異を超えた平和な世界の実現を訴えたい」と強調した。同会は現在、善光寺の僧侶四人をはじめ全国の仏教者約二十人が名を連ねている。
二十六日、善光寺には早朝からチベットの旗を手にした支援者や各宗派の衣をまとった僧尼が続々と集まった。チベット語で静かに祈りを捧げる在日チベット人グループの姿も見られた。
法要前、チベット人の男性が本堂近くで若麻績代表にチベットの仏画を贈呈する場面もあった。
今回の善光寺の協力に対して男性は「われわれは本当に感謝しております。これからもチベット人だけではなく、世界中の仏教徒のためにご協力をお願いいたします」と涙を流しながら感謝の言葉を述べた。
聖火リレーの開会式と同時刻の八時十五分に開式した法要には、「平和を願う僧侶の会」をはじめ、「善光寺に感謝のお参りをする僧侶の集い」や真言宗智山派僧侶有志などのほか、全国から集まった僧尼ら三十余人が随喜。
「チベット問題を考える長野の会」と「スチューデント・フォー・フリー・チベット(SFT)日本」が施主となる形で執行された法要では、般若心経に続いて、騒乱で犠牲となった百五十人以上のうち身元が判明している六十余人の名前と年齢、出身地を読み上げた。読経の声が響く中、満堂となった本堂で、在日チベット人、日本人支援者らは心を一つにして追悼の祈りを捧げた。
同日、リレーコースに面する浄土真宗本願寺派長野別院前では、本願寺派と真宗大谷派の有志による「長野県念仏者九条の会」(海野正信会長)が「人権はすべてに優先する」と日本語・英語・中国語で書かれた横断幕を掲げ、スタート時刻に梵鐘を撞いてアピール。また浄土宗西方寺(金子英一住職)でもチベットの犠牲者追悼法要の後、鎮魂の梵鐘が撞かれた。善光寺の法要に参列した僧尼らは街頭で読経やビラ配り、非暴力デモへの参加など思い思いにチベット支援のメッセージを発信した。