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真言宗大覚寺派(黒髪寛延宗務総長)の臨時宗会(黒沢全紹議長)が八日、京都市右京区の大本山大覚寺(下泉恵尚門跡)に招集され、前年度宗派・本山会計の決算などを承認した。前年度宗派会計は予算編成時、約千百万円の赤字が見込まれていたが、昇補の特別申請による礼録収入の超過などで黒字化した。また教務面で、僧侶養成機関の嵯峨伝燈学院に女子を受け入れる方針や法流伝授を計画していることなどを明らかにした。
承認された前年度宗派会計は歳入=約五千四百六十万円、歳出=約五千四百四十万円。黒髪内局によると、後宇多法皇入山七百年記念大法会(平成十九年)で、前年度が昇補の特別申請が可能な最終年度だったため、駆け込みの申請者が多く、礼録収入が予算額を約三百七十万円上回ったことが大きかったという。これと全般的な歳出の引き締めにより、わずかながら会計を黒字に転換することができた。
しかし今年度以降、財務状況を好転させる材料は必ずしも多くない。宗派の資金的余裕は約一千万円で、まだまだ厳しいやりくりが続く。歳出削減も限界に近く、近年改定した教師義納金に続き、宗費の値上げも不可避となってきたようだ。
一方、華道総司所と出版部の二つの特別会計を含んだ前年度本山会計は歳入=約九億六千二百四十万円、歳出=約八億六千三百万円。黒髪宗務総長は冒頭の挨拶で「財政を縮小させる一方ではなく、積極的に情報発信し、観光業界と連携していきたい」と、参拝者の増加に力を入れる方針を示した。
黒髪内局は宗会で、五大堂改修工事と心経宝塔改装工事を一括して金剛組(大阪市)に総額約五千万円で委託したことを報告。これらの工事は、後宇多法皇入山七百年を記念した大覚寺総合整備事業の一環。また中村殊萌教務部長は、嵯峨伝燈学院で女子院生の受け入れを検討していることや、門跡からの法流伝授を計画していることを明らかにした。
嵯峨伝燈学院は以前、女子院生を受け入れていたこともあったが、世話をする尼僧がいなくなってから、受け入れを断わってきた。しかし、大覚寺を経営母体とする京都嵯峨芸術大学(京都市)から、女子学生の確保のため、境内に置かれた華道専門学校(現在は閉鎖)の寮を使用させてほしいという要請があったことから、同学院でも女子院生の受け入れを検討し始めることにした。