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死者との"対話の場"の葬儀考察   大阪・應典院でセミナー

2009年7月23日

葬儀は故人と遺族、会葬者の"コミュニケーション"の場。葬儀を考えることは、このコミュニケーションのあり方を考え直すことでもある――。大阪の浄土宗應典院(住職=秋田光彦大蓮寺住職)で十八日、葬儀をテーマとしたセミナーが開かれ、人生の終末期のサポート事業などにも取り組んでいる(株)公益社執行役員の廣江輝夫氏が講演した。廣江氏は生前葬や直葬など葬儀の多様な変化を踏まえ、遺族や社会にとっての葬儀の意義を分析、死へ向けての人生設計を主体的に考えるエンディング・ワークの考え方を紹介した。

「大蓮寺・エンディングを考える市民の会」が主催する「"みとりびと"は語る〜死と家族をめぐる三つの物語」と題する三回連続セミナーの初回。講師の廣江氏は公益社で葬祭業の最先端商品開発に携わる傍ら、同社の遺族サポート活動「ひだまりの会」でグリーフケアにも取り組んでいる。講演では経験を踏まえ、葬祭業界から見た"死"をめぐる現場の変化について論じた。

廣江氏は葬儀に関する"事前相談"が増加しており、家族葬の相談が多いことを指摘。さらに手元供養、納棺用のミニチュアピアノなど特注品やエンバーミング(遺体衛生保全)の需要に言及し、社会的な儀式としての性格より、故人とのコミュニケーションの場としての性格が目立ってきたことを指摘。背景として、終末期医療の状況や平均寿命の延長を挙げ、シルバーライフ、遺言等のエンディングの法的手続き、生前葬、遺族のグリーフケアなど周辺領域が葬祭業界でも注目されていることを示した。

秋田住職との対談、質疑応答では、まず秋田住職が大蓮寺の生前個人墓について紹介。血縁関係にない生前個人墓の契約者が「死を共有しながら縁を結んでゆく」実践を語り、"みとり"の機能を失った家族とは別に、家族的なつながりが求められているのではないかと問題提起した。

これに対し廣江氏は配偶者を失った人同士が支え合う「ひだまりの会」の活動に触れ、ケアではなく自立へのサポートという狙いを説明した。

フロアからの質疑も踏まえ、秋田氏はさらに年回忌法要など伝統的仏教儀式を遺族の自立のサポートや「自らの死の予行演習」という面から肯定的に評価し直す必要があるのではないか、と問い掛け、「死に対峙(たいじ)しつつ、今をどう生きるかを考える」という姿勢を強調。廣江氏は故人を回顧する機会として演出(ビデオなど)し、付加価値を付ける効果を説いた。


7月23日のニュース

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このページの最終更新日 2009年07月23日