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社会に成熟した死生観を   全国浄土宗青年会が第五回全国大会

2009年8月29日

約350人が参加した全浄青の全国大会
約350人が参加した全浄青の全国大会

全国浄土宗青年会(三宅晃洋理事長)の第五回全国大会が二十六日、三重県志摩市の賢島宝生苑を会場に開催された。当日は研修として三つの講義があり、京都大学教授のカール・ベッカー、元NHKアナウンサーの松平定知、総本山知恩院布教師会元会長の鈴木超淳の三氏が登壇。このうち「『お浄土への道』〜お寺は二十一世紀に何の貢献ができるか〜」の演題で講義したベッカー氏は、日本人の死をめぐる精神文化の衰退への危機感を披歴し、その復興と再構築の必要性を強調した。

ベッカー氏は、仏教が説く「浄土」や「来世」といった死後の世界について、それらが単なる宗教的神話ではなく、数多く報告される臨死体験の臨床例を通して先端医学の分野でも認められつつあると説明。「大蔵経や各種の往生伝に記録があるように、仏教では千年以上前からそれに気付いていた。(臨死状態で出合う)『無量光の存在』や来迎は、決して神話的なものではなく、誰もが経験し得るもの」と述べた。

他方、仏教や浄土教、祖先崇拝などを通して形成された日本の死をめぐる独自の精神文化について「お浄土への理解を底に持った日本人は死を恐れない民族だった。しかし戦後、死後の話をしなくなったことで、今では最も死を恐れる民族になっている」と"死の文化"の喪失を指摘。

その結果として、不必要な延命治療や遺族・医療従事者らへの悲嘆治療対策の不備などが現代の大きな問題になっているとし、「死が恐ろしいのは、死んだらどうなるのか分からないからだ」と強調。これからの寺院の果たす役割として「大いなる命と智慧とのきずなを感じてもらう」「患者や家族の死の受容を支援する」など十項目を挙げ、社会に成熟した死生観を普及させていく必要性を示した。

今大会は東海ブロック浄土宗青年会(稲垣大宣理事長)の担当で開催し、全国から約三百五十人が参加。開催に当たり、東海浄青は全浄青第二十期執行部が掲げる活動テーマ「共進 わたしの一歩はみんなの一歩」のサブテーマとして「共結来縁」を掲げた。

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このページの最終更新日 2009年08月28日 te -->