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「宗法改正」近づく答申  どう表記「宗派と本山」関係   本願寺派調査会

2009年10月8日

浄土真宗本願寺派(橘正信総長)の最高法規の「宗法」改正を審議する「宗門基本法規制定調査会」(石田慶和会長、以下「基本法規調査会」)が五日、本山宗務所で開催された。二十七日から始まる第二百九十二回定期宗会(桑羽隆慈議長)を前に同調査会の「中間報告(答申)」を総局に提出するが、改正案の重要なテーマである宗派と本山本願寺の関係をめぐり"不協和音"も聞かれる。十九日にはその成案化のための分科会が開かれるが、果たしてその中で懸案の宗派と本山本願寺の関係はどう表記されるのだろうか。

従前通り宗教法人「本願寺」が単位法人として、一般寺院と同様に宗教法人「浄土真宗本願寺派」に包括される法的関係を維持しつつ、それぞれの独立性、区分、役割を明確にした上で、協力体制を築いていく。

今回を含めこれまでに三十七回開かれた基本法規調査会の過程で、宗派と本山本願寺の関係については、これを基礎として今後の審議を進めることが確認されている。

「宗派と本山本願寺の対立構造や活力の減退を回避し、ともに発展、活性化し、かつ本山本願寺とその住職たるご門主を中心とした教団組織と制度のあり方、僧侶、門徒の位置づけ、意識や活動のありようを実現するため、宗派と本山本願寺の独立性を強化し、宗務と寺務の区別を明確にして協力体制を築く」

その目的はこういうことだが、背景には法的には別法人の宗派の宗会が、本山本願寺の予決算や「本願寺寺法」などの法規、重要な寺務の議決権・承認権などを有しており、宗派側の政局などの不安定要因が本山本願寺の安定性や寺務執行の効率性を阻害しかねないという現行の制度上の問題点も潜んでいる。

両者の関係見直しは本山本願寺が宗派とは独立した執行機関、評議機関を持つことでこうした弊害を是正しようとするもので、独立性の強化や役割の明確化は本山本願寺には一定のメリットが期待されるが、宗派側のメリットとなると「現状ではいまひとつ明確なビジョンが見えてこない」と疑問視されている。

「少子高齢化や過疎・過密という社会問題、または情報化や国際化、多様化に基づく競争社会という現実に対し、時機や状況に応じて機敏で実効性のある対応を行ない、将来に向けてこれらを可能にするための迅速な意思決定と安定的かつ継続的で効率的な執行体制の構築が求められる」

こうした"青写真"は描かれているが、これは宗派にとっては越えねばならぬハードルで、ビジョンとは言い難い。しかもこれまで宗派の財政を支えてきた本願寺からの回金制度がこれまで通りに維持(一応、維持の方向は打ち出されている)されねば、財政基盤も不安定なものとならざるを得ない。

「宗派と本山本願寺の関係を変えることによる宗派側のメリットが見えてこない。それぞれを活性化するというが、これで本当に宗派が活性化されるのか」

「教学上の権限は本山本願寺か、それとも宗派に属するのか。これは大変重要な問題だ」

「本願寺住職と宗派のご門主はこれまで通りに同じ方がご就任になるのだが、それ以外にも宗派と本山本願寺の一体感を制度上で担保する必要がある。そうでないと宗内に違和感を抱かせることになりはしないか」

五日の基本法規調査会では、こうした指摘が相次いだ。宗派と本山本願寺の関係は確認事項であるが、同調査会を開くたびに論議の焦点となり、まだ完全に消化されたとは言い難いのが実情である。


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このページの最終更新日 2009年10月29日