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全国青少年教化協議会(半田孝淳会長)に付属する臨床仏教研究所(斎藤昭俊所長)は六日、「お寺の公益性を考えるシンポジウム」を東京・芝の東京グランドホテルで開催した。年初に実施した「現代人の寺院に対する意識調査」の結果を報告した上で、寺院の公益性とは何かを考え、「祈りこそが公益」「葬式仏教が充分に機能すること」「死者供養以外の社会的活動」などの意見が出された。
意識調査は二月に郵送で実施された。対象は四十歳から六十九歳までの六百人。有効回収数は五六六(男性二八五、女性二八一)。
調査結果では、寺院を訪れる目的は「墓参り」が圧倒的に多く、「観光」「法事」などを大きく引き離した。参加したい行事については「説法を聞く会」が最も多く、「坐禅」「落語・音楽会などのイベント」が続いた。「跡継ぎがいないので、お墓の管理ができなくなる?」との問いに、過半数が「そう思う」「まあそう思う」と答え、「今後、お寺との付き合いが希薄になる?」との問いにも約七割が「そう思う」「まあそう思う」と回答した。
宗教の役割については、「精神的なよりどころ」が七〇%で、「冠婚葬祭に必要なもの」が三五%。その一方、「死に直面したらお坊さんが心の支えになってくれると思いますか?」の問いには七五%が否定的な回答をし、お寺に求める活動についても「死者・先祖供養」が七八%と圧倒的な多数意見だった。
結果報告を行なった磯山正邦研究員(智山教化センター所員)は「お寺の活動に関心はあっても実際に行くのは墓参りの時だけという姿がうかがえる。先祖供養以外の期待に応えなければ、一般の人々と寺院の関係はますます希薄になっていく可能性がある」と指摘した。
「公益性のある寺院活動とは」と題したパネルディスカッションでは、鈴木晋怜上席研究員(智山伝法院教授)が「お寺の公益性は企業などの公益性とは違う。宗教性のある公益がお寺の公益」と述べ、「お寺の公益は祈り。祈ることで偉大な力が広く及ぶ」と発言。
小谷みどり客員研究員(第一生命経済研究所主任研究員)は「寺院への不満で多いのが、法話がなっていないという意見。葬式仏教を全うできれば公益性があるが、充分に機能していないことに問題がある」と述べた。
意識調査の結果の詳細は来年早々に刊行される。問い合わせは同研究所‖電話〇三(三五四一)六七四六。