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各教団に設置された研究機関で組織する「教団付置研究所懇話会」の第八回年次大会が九日、横浜市神奈川区の孝道山本仏殿で開かれた。テーマは「自死について」。宗教・宗派を超え二十三研究所から約百人が参加、自殺と教義との関係、宗教者が取り組む自殺対策について情報交換し、考えを深めた。総会では「自死問題研究部会」の開設が決議された。
大会では「教義からみた自死」について浄土真宗本願寺派教学伝道研究センターの藤丸智雄研究員、金光教教学研究所の加藤実部長、NCC宗教研究所の土井健司研究員が発表、宗教者の自死対策について、浄土真宗本願寺派教学伝道研究センターの武田慶之研究員、日蓮宗現代宗教研究所の吉田尚英氏、国際仏教交流センターの岡野正純常務理事が発表した。
藤丸氏は「実践へと開く仏教教義―自死問題から」と題して、釈尊の弟子ヴァッカリが自殺したエピソードから「釈迦は自死を断罪してもいないし是認したわけでもない」とし、「死に方で人を評価するのでなく、生前の行ないが重要なのだと宗教者は語るべき」と提案。
加藤氏は「金光教の教義から見た『自死』」の演題で、教祖の教えを引用し「自死に至るには一人の力だけではぬぐいきれないものがあり、神との支え合いや先祖とのつながりなどから生きる力を引き出さねばならない」との考えを示した。
土井氏は「自死という問題とキリスト教」の演題で、アウグスティヌスとトマス・アクィナスの議論を考察。自分・社会・神の三者との関係性から自殺を認めなかったトマスの論から「自死遺族は家族と突然関係を絶たれることになるので、関係性という視点で自死を考えたい」と述べた。
自殺対策については、まず武田氏が「自死(自殺)の問題をどうとらえ、どう向き合っていくか?―本願寺『自死問題実態調査』を受けて」の演題で発表。「自死は仏教の教えに反している」との意見が七割を超えた調査結果などを取り上げ、「遺族に自死は駄目だと言うのでなく、死にたいほどの思いに共感し、生きる方途を共に探っていこうという姿勢が大事」と話した。
総会では「自死問題研究部会」の開設が決議された。これまで自殺については生命倫理研究部会で取り扱ってきたが、同部会では臓器移植の問題など他に重要な議題が多くあり、専門部会を作ることで正確な情報の共有・提供を行ない、教団による自殺対策の認知度向上を図る。来年二月に第一回の部会を開く予定。