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社会の寺院への期待…多彩な声続々   浄土宗の共生・地域文化大賞

2009年10月17日

寺院は社会から何を期待されているのだろうか――。その一端を示す一般からの意見の数々が、浄土宗(里見法雄宗務総長)が主催する第三回「共生・地域文化大賞」のアイデア・企画部門に寄せられている。

この賞は同宗の宗祖法然上人八百年大遠忌の記念事業の一環として一昨年に創設されたもので、NPO法人やボランティア団体などが取り組んでいる多彩な地域活動を顕彰するとともに、寺院が積極的にそれらの活動に学び、参加して協働モデルを模索することを促すことが目的。今年度は従来の表彰部門に加えて助成部門とアイデア・企画部門が新設された。

このうち「地域文化活動を進める上で、仏教寺院と一緒に実施したいアイデア・企画を募集」するアイデア・企画部門には、九月十一日の締め切りまでに一般の部に千六百二十二件、中学生以下の部に五百九十三件の応募があった。

一般の部で目立つのは子どもの一時預かりや寺子屋、地域の子どもと高齢者の交流事業、高齢者の生きがいづくり企画、寺院によるカフェやランチサービスなど宗教性をあまり意識しないアイデア。他方、デス・エデュケーション(死の準備教育)にかかわるものもあり、「葬儀や供養のあり方を体感する」ための企画や、人生の終末期について考えるための取り組みへの提案もあった。

このほか雇用情勢の悪化で困窮する人や家庭内暴力の被害者などを対象とした「駆け込み寺」、「食育の発信地」としての寺院の役割を期待する意見もあった。

中学生以下の部では、「お寺で雑巾がけレース」や「お坊さんと怪談の百物語をしたい」など既存の発想にとらわれないアイデアが集まった。

特に多かったのは「お坊さんと精進料理をつくってみたい」で、現代の僧侶の"実態"とは乖離(かいり)した子どもたちの仏教界に対する認識も示唆している。

このほか「僧侶の一日体験」や「お坊さんのファッションショー」「夏休みの宿題合宿」などもあった。

担当部署の宗祖法然上人八百年大遠忌事務局は「応募してくれた子どもたちの多くは普段、僧侶と接した経験が少ないような印象を受ける。これは、われわれにとっての反省点の一つだ」とみる。

浄土宗では、NPO法人やボランティア団体との協働による既存の枠組みにとらわれない取り組みの創出など、寺院を地域社会との新しい「対話」と「交流」の場とする「お寺『共生堂』」事業の推進を検討中。

共生・地域文化大賞も同事業と密接に関係しており、光成範道大遠忌事務局長は「今回応募されたのは、われわれが持つ『救済』や『教化』といった感覚とは違う視点からのアイデア。こうしたデータの蓄積が『共生堂』の実現にもつながっていくと考えている」と話している。

共生・地域文化大賞の採択式典は二十六日午後三時から総本山知恩院御影堂(京都市東山区)で開催される。


10月17日のニュース

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このページの最終更新日 2009年10月29日