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臨済宗妙心寺派の「明日の宗門を考える会」の初会合が二十日午後、大本山妙心寺宗務本所で開かれた。限界集落といわれる過疎化地域や大都市周辺人口急増地域に注目し、一派で九百ヵ寺を超える兼務・無住寺院の対策を強く意識して宗門全体の活性化の方向を探るのが狙い。松井宗益宗務総長はこの課題を「ポスト遠諱で一番に取り組むべきこと」と位置付け、二年をめどに結果を出してほしい、と要望した。
「明日の宗門を考える会」は松井総長が今年五月の就任に当たって示した「重点目標」の一つに基づく。総長就任の公約として掲げた教学再構築などに取り組む三委員会に続き新設されたもの。都市部や過疎地などの地域性を配慮して宗門内から十人の委員を委嘱。今後、都市部担当と地方部担当各五人に分かれ、おのおのに内局員も加わって協議してゆく方針だ。
総合座長には宗議会議員の久司宗浩少林寺住職(岐阜県各務原市)が就任。初会合であることから、この日は班別討議の形をとらず、委員、内局員がそれぞれ自らの意見を述べた。
松井宗務総長は「仏教そのものが滅びることはないだろうが、現在の寺や教団は社会的に必要とされなくなると存続は難しい。魅力ある寺、活力を持った教団のあり方について、大きな方向性を示すべき時期に来ている」と"ポスト遠諱"のテーマに取り上げた趣旨を説明した。
さらに、これまで宗門が行なった被兼務寺院実態調査などに言及し、兼務地が九百ヵ寺以上(無住十二ヵ寺を含む)を数える現状に対する危機感を表明。その上で、無檀家の寺院でも地域に密着した存在感の高い活動を展開している寺院の例を挙げ、「安易に合併、解散を進めるのではなく、宗門全体を活性化する方向でいかにして存続させるか努力したい」という基本方針を力説した。
これを踏まえて各委員から宗門・寺院・僧侶の在り方についての全般的な意見が提示された。
そこで挙げられた問題の一つが「寺の世襲」。「大きな寺なら世襲で嗣いで"何もやらない"でもやっていける。世襲を見直さないと宗門のパワーが生まれない」(武山廣道委員)、「場合によっては(輪番のように)よそに移り、一から始めるというほどの意識を持ちたい」(浅野恵一委員)といった声が出た。
人材活用については、定年退職後に出家し、長野県の山寺で独自の活動を展開する柴田文啓委員が、"第二の人生"を模索する人材に道を開くことを提案。東京に自坊がある北折真一委員は「副住職として役僧などで収入を得て自由な立場でいる若手を、坐禅指導など教化活動に動員し、実績と自信を持たせるようにしては」と論じた。