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  時感断想 − 第24回

 1、    思想史から哲学へ        仏教基盤に"現代"に挑む


末木文美士

1、思想史から哲学へ
仏教基盤に"現代"に挑む

2、不可欠な多分野協力
現象抜きの本質論は非仏教的

3、思想史構築の課題
儀礼や民族どう組み込む

4、伝統思想の再検討
輸入思想の時代終わった





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   今年に入ってから、『仏教倫理』(ちくま新書)、『日本宗教史』(岩波新書)、 『思想としての仏教入門』(トランスビュー)の三冊を出し、一段落して少しほっとしたところだ。いずれも 特定の問題を扱った研究ではなく、大きな範囲の問題をどう捉えるかという図式を試論的に示したものである。
   順序としては逆になるが、『思想としての仏教入門』で仏教、『日本宗教史』で日本宗教史・思想史を概観し、その基盤の上で『仏教倫理』はもっと大胆に自分なりの思想構築を試みたものである。その意味で、期せずして三部作を構成することになった。  『思想としての仏教入門』は出たばかりであるから、まだ反応というほどのものはないが、『日本宗教史』は、 もちろんさまざまな問題はありながらも、比較的多くの読者からも好意的に受け入れられているようだ。 それに対して、『仏教倫理』のほうは、かなり毀誉褒貶が著しく、だいぶとまどった方が多いようだ。
   『日本宗教史』ならば、たとえ大風呂敷で粗雑であっても、一応タイトルからどんな 内容が書かれているか想像がつき、その期待は大きくは裏切られない。ところが、『仏教倫理』のほうは、 タイトル自体が挑発的であるとともに、ほとんど類書がなく、もちろん僕自身がこれまで出した本ともまったく 異なるから、「何だ、これは」ということになってしまうようだ。
   従来、仏教を基盤として、現代の哲学的な問題に切り込もうということはほとんど なされてこなかった。だから、まったく手探りで進まなければならず、付け焼き刃で現代の問題を勉強して、 消化しきれないままに書いたところが少なくない。
   そんなわけで、自分なりに随分考えたつもりだが、それでも問題の扱い方や論の進め方が 独断的で、説明が不充分なところが少なくない。これは大きな反省点で、もっと勉強して、本書の荒っぽい スケッチを今後緻密にしていかなければならないと痛感している。

(H18.6.6〜H18.6.27)

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このページの最終更新日 2006年07月11日