|
<<ホーム>> |
|
| 時感断想 − 第28回 |
1、 ラサ・ポタラ宮 チベットの政治状況実感 |
||
|
|
今夏わたしは、ラサ・ポタラ宮を訪れた。広州から昆明、麗江、中甸(シャングリラ)と経て、空路ラサに入った。成田を発って四日目の午前だった。NHK文化センター企画監修という旅行団で、 参加者のほとんどが筆者よりも年長だから、高山病の予防に徐々に高度を上げていこうという旅行責任者の配慮である。 実は承知の方もいるだろうが、西寧・ラサ間の鉄路が全通し、この七月一日から列車が営業開始した。西寧から二十四時間だそうだが、次の機会には乗ってみたくなる。西蔵は中国、筆者がこの同行を依頼されたのは一応中国専門家ということだが、その小輩、実は西蔵の地を踏むのはこれが初めて、正直なところ筆者も高山病への危惧があった。しかし、一日目の夜だけは動悸の高まるのを覚えたが、以後平明に過ごせた。 かの列車開通に関して六月後半わが邦の各紙上に、その第一便に誰が乗る乃至乗りたいか、という観測記事が踊った。片や中国最高指導者、片やダライラマ、ここに今のチベットの置かれた政治的境遇が如実に語られている。ダライラマ十四世は亡命状態であるが、この鉄路の開通でチベットの中国化は益々加速化するであろうという。 事実、今ポタラ宮の見学はあらかじめ予約券を確保して、そして入場してから一時間で出口にこなければならなくなった。かの列車で大挙、中国人観光客が押し寄せているから。 確かにその入場は危険物点検の身体検査から始まって厳重管理下にある。そのポタラ宮から対面する山の裾野に駅舎が遠望できる。遠望でもかなり大きく見えるのは桁外れに巨大ということ。やはり空路に比して、鉄路の開通は圧倒的に直支配の象徴といえるのだろう。 ところで前記の中甸は雲南省北部だが、ここにある寺は既にチベット式である。歴史的にみて青海省も四川省西辺・甘粛省南辺も、事実上チベット文化圏であった。現時の行政区画は、チベット族近世代の彷徨を物語るものでもあろうか。 さて、ポタラ宮に入ろう。 |
||
|
|||
中外日報のホームページに記載されている記事・写真の無断転載を禁じます。
著作権は『中外日報社』に帰属します。Copyright2006,Chugainippoh
このページの最終更新日
2006年11月22日