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「認証」の制度こそ宗教法人法の根幹

2012年2月2日付 中外日報(社説)

公益法人制度改革で、現在、特例民法法人となっている旧社団法人、財団法人が公益認定を申請するか、一般社団・財団に移行するか、その期限は来年11月に迫っている。宗教団体が関係する社団・財団も、新体制へ移った例はまだ多くはないとしても、ほとんどが方針を決定し、申請などの具体的な作業を進めているはずである。

公益社団・財団法人になるには、内閣府の公益認定等委員会や都道府県の公益認定等審議会から「認定」を受けなければならない。公益社団・財団法人は税制上の利点があるが、公益目的事業比率をはじめ遵守事項が課され、国や都道府県から監督指導を受けることになる。一般社団・財団は特定の要件を満たした非営利型の法人に限って税制上の優遇が与えられる。それ以外の一般社団・財団法人には税の優遇措置はない。

公益社団・財団法人、非営利型一般社団・財団法人、それ以外の一般社団・財団法人、と区別は複雑化したが、共通するのは社団・財団法人は登記のみで設立できる(公益認定はその後の問題)という点で、設立に主務官庁の「許可」が必要だった旧社団・財団法人との大きな違いである。

登記のみで法人を設立できる、とするのは「準則主義」といわれ、国の関与度は最も低い。これに対し「許可」は、主務官庁の裁量で禁止を解除するという意味があり、法人に対する国の態度としては準則主義と対照的である。

両者の中間が「認可」と「認証」で、学校法人などは認可、宗教法人は認証であるのは周知の通り。国の関与が大きい順に並べると、許可、認可、認証、準則主義ということになるが、宗教法人の「認証」は本来、認可より準則主義に近いというのが、文部省宗務課(当時)で宗教法人法制定に従事した井上恵行氏の解釈だ。

ところが、現実には「認可より厳しい(宗教法人の)認証」などといわれ、宗門行政に関わる人ですら、「宗教法人の認可」と思い込んでいる例がある。だが、「認証主義」は憲法が保障する信教の自由と政教分離を根底にした宗教法人法の重要な柱であることを忘れてはならない。

平成7年の宗教法人法改定によって「認証」の変質は進み、さらに「認可」に近づきつつある。公益法人制度改革に関して、宗教界では行政庁の監督のもとに入る公益認定に消極的な意見が聞かれたが、宗教法人自体の、国や行政との関係、位置付けも、この際、大きな原則に立ち戻って考えてみるべきではないか。