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殺処分減らせるか 動物愛護法が改正

2014年1月11日付 中外日報(社説)

ペットが命を終えるまで面倒を見る「終生飼養」の責任が飼い主にあることなどを定めた改正動物愛護管理法が昨年9月に施行され、4カ月がたった。人と動物の「共生」関係をどのように築いていくのか。あらためて思いを巡らしたい。

動物愛護管理法は1973年に議員立法で制定された。動物愛護の気風を高め、生命尊重、友愛の情操を養い、「人と動物の共生する社会」を目指すのが目的だ。

ペットフード協会によると全国で飼育されている犬・猫の数は約2128万匹(2012年度)。ペットは人の生活に潤いを与え、高齢化社会でセラピー犬など新たな役割が期待されている。

その一方で虐待や無責任な飼育放棄が後を絶たない。環境省によると自治体に引き取られて殺処分された犬・猫は、年々数は減っているものの、11年度でなお約17万5千匹に上る。

改正法の柱は、ペットの命が尽きるまで適切に飼育するよう飼い主の終生飼養の責務が初めて明文化されたことだ。

自治体は飼い主や業者から持ち込まれた犬・猫について、相応の理由がない限り引き取りを拒否できるとした。同じ人物が異なる犬・猫の引き取りを何度も求めてくる場合や、犬・猫の高齢化、病気を理由にした場合などが拒否できる具体例として挙げられている。

改正法では生後間もない犬・猫の販売や、インターネット販売も規制された。親から早くに引き離すとほえ癖やかみ癖が付きやすく、結果的に飼育放棄につながるとされる。ネット販売では「写真と実物が違う」といった苦情が増えており、販売業者は顧客に直接動物を見せ、飼育方法などを説明することが義務付けられた。

安易な飼育放棄で殺処分される犬・猫を減らすために、飼い主にはペットの一生を見届けるという今まで以上の責任が求められる。

殺処分される犬・猫たちの最期と向き合う愛媛県動物愛護センターの職員を描いた今西乃子さんのノンフィクション『犬たちをおくる日』は5年前に出版され反響を広げた。大阪府河南町・浄土真宗本願寺派観念寺の宮本直樹住職は同書の内容を紙芝居にし、各地の寺院や学校で上演を続けている。

宮本住職は「感想を聞くと、亡くなった祖父母の話や、子供たちだとセミやカブトムシといった昆虫が死んだ話などが出てくる。さまざまな命のことを考えながら見てくれているようです」と話す。動物たちからの命の問い掛けを一人一人の宗教者が受け止めたい。