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教祖の犯罪と教団 グレーゾーンこそ論議を

2015年4月15日付 中外日報(社説)

法の華三法行という教団を記憶している人が、どれだけいるであろうか。福永法源教祖によって1980年に設立され、87年に静岡県富士市に本部を置く知事所轄の宗教法人となった団体である。

福永教祖は2000年に詐欺罪で逮捕された。最高裁まで争われたが、結局懲役12年の実刑判決となった。教団は翌年破産宣告を受け、宗教法人も解散となった。

法の華三法行は解散したが、信者たちの一部は、「よろこび家族の和」として活動を継続した。さらに後継団体として「天華の救済」を結成し、法の華三法行時代の信者が代表を務めていた。そして昨年、福永元教祖が刑期を終えた。

「天華の救済」は「天華の救済 宇宙・みらいグループ」と名称を変えた。4月5日には「天華みのりゆく慈喜桜祭」が東京の品川で開かれ、福永元教祖の講演も行われた。

オウム真理教の後継団体は「アレフ」として活動する。今後、旧法の華三法行も新たな名称のもと活動を活発化することが予想される。天声とか天行力など、法の華三法行時代に使われていた用語もそのまま用いられている。

オウム真理教のようにテロ行為をなした場合には多くのメディアがこれを報道するが、法の華三法行の場合は詐欺罪ということで、判決後の活動などについても、ほとんど報道はない。

宗教関係者が刑事、民事で有罪判決を受ける例は多い。ここで考えなくてはいけないのは、個々の信者あるいは教団関係者などが犯罪に関わった場合と、教団の活動そのものに強い違法性が疑われる場合との区別である。数百万人の信者、何千人の職員がいるような大きな教団では、一部の人間の不祥事は避け難い面がある。しかし、創始者あるいはリーダーに暴力的傾向、詐欺的傾向があった場合には、少し慎重にその動向に注意を向けるべきであろう。

明らかな違法行為ではないが、社会的に強い批判が生じるような宗教活動をどう報道し、またどう評価するかは非常に難しい問題である。メディアはともすれば一斉にたたくか、全く触れないかの両極に分かれる傾向が強い。

しかし、考えるべきはまさにグレーゾーンとも言うべき活動だ。そこまでは認められるのではという意見と、それは行き過ぎであり批判すべきだという意見が混在するような領域である。いわゆるカルト問題も、断罪か無視かになりがちだが、どこまでが社会的に認められるのかを常に問う姿勢が必要だ。そうしたことが、暴走への歯止めになり得るはずである。