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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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不信と忘却を越えて 振り返るべき出来事

2018年2月2日付 中外日報(社説)

国際宗教研究所に設置されている宗教情報リサーチセンターが、1月から公式ツイッターを開始した。そこで発信されている特徴的な内容がある。それは「宗教・今日は何の日」というテーマのツイートである。過去の同じ月日に世界や日本で宗教に関係したどんな出来事があったかが示されている。主に21世紀に入ってから起こった出来事が対象だ。

宗教に関係した大きな事件や出来事は毎年幾つもある。起こった時は大きな衝撃を受けるような事件でも、次々と発生する新しい出来事に気を奪われ、つい記憶が薄れる。そうしたものを思い起こさせてくれるという意味で有意義である。二、三拾ってみる。

2006年1月10日に、チベットの伝統的葬法である鳥葬の見学・報道が自治区政府によって全面的に禁止された。10年1月18日に、「X JAPAN」のボーカリスト・TOSHIが東京都内で記者会見を開き、夫人(当時)と共に傾倒していた自己啓発セミナーの主催団体「ホームオブハート」からの脱会を報告した。13年1月19日にはハラル認証を受けているキユーピーマヨネーズのキューピー人形マークの羽が、天使の偶像崇拝に当たるとしてマレーシアで問題視されていると報じられた。

これらはすでに宗教情報リサーチセンターがオンライン公開している年表や、機関誌である『ラーク便り』の記事データベースから選ばれているという。つまり宗教関連の出来事として記憶にとどめるべきだとして公刊されたものからの選択である。

ネット上にツイッターは無数にあるが、中にはわざと炎上させるためにフェイクニュースを流したり、過剰に他者を中傷あるいは批判するものがある。一国の大統領がフェイクニュースを平気でツイートする時代には、信頼できる情報をどこに求めればいいのか、惑わざるを得ない状況である。個人的感情を激しく前面に出すツイートは、多くの人の注目を集めるかもしれないが、単なる口論のオンライン版にすぎないものが多い。

信頼が置けない内容、感情的な発言のみのツイートの洪水の中で、宗教情報リサーチセンターのツイートは、面白みは多少欠けるかもしれないが信頼性は高い。現在のような情報の洪水社会においては、大変貴重なことである。

それほど昔ではない時期に起こった重要な出来事を思い起こす意義は何か。時がたてば皆忘れるだろうと、高をくくる為政者や団体などの存在を再確認するには、もってこいの機会になるからである。