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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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存在としての僧侶育む

曹洞宗正法寺専門僧堂堂長 盛田正孝さん(73)

2017年3月29日付 中外日報(ひと)

盛田正孝さん

岩手県奥州市の曹洞宗正法寺専門僧堂の堂長に就任した。6日、成田隆真教学部長から僧堂設置認可書、堂長任命書等を受け取ると、深々と頭を垂れた。

かつては大本山の永平寺、總持寺と並び、第三の本山と称された古刹だが、現在の檀家数は85軒で、73の末寺に支えられる修行寺。修行僧による暴力事件の影響で2013年11月、僧堂は閉単(閉鎖)された。

その後、改革を期待されて入寺。「事件はどこでも起こり得ると肝に銘じている。伝統ある修行道場、何としても再開させなくてはいけない」と、開単(設置認可)に向けて奔走してきた。

開単に際しては詳細な堂則を設けた。「被害に遭われた方々の思いを受け止め、この教訓を生かしていくことは言うまでもない」

僧侶育成には理想がある。「自らを『禅僧だ』と言える人を育てたい。もっと言えば、自己の存在を証明できる人。それは職業としての僧侶ではなく、存在としての僧侶。そのような僧侶を打出したい」と語気を強める。

この地には世界遺産・平泉や名勝の猊鼻渓などの観光資源が多くあり、東日本大震災前は観光客も多かった。

「大勢の方に観光に来てほしい。ただし、ここでは物見遊山の観光ではなく、仏の光を観るという意味の『観光』。皆さんに光を感じていただきたい」

だから僧侶が参拝者を案内し、法話も毎月行う計画だ。「坐禅ばかりではなく、『正法寺に行けば法話が聴ける』というお寺にしたい」と抱負を語った。

(赤坂史人)