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研究と伝道を統合して

仏教伝道協会会長 木村清孝さん(76)

2017年7月14日付 中外日報(ひと)

木村清孝さん

沼田智秀・前会長の後を継ぎ、6月23日に会長に就任した。華厳思想、アジア仏教が専門の研究者で東大名誉教授。そして、曹洞宗の僧侶でもある。発願者・沼田惠範氏から引き継がれてきた世界平和への熱意を、学問と信仰を統合させて継承していく。

「大変な役を引き受けることになった」。これが今の偽らざる思いだ。仏教伝道協会は、浄土真宗本願寺派僧侶の惠範氏が仏の教えを世界に広めるために設立。2代会長は息子の智秀氏が務めたが、その子息の恵明氏は3月に精密測定機器メーカー・ミツトヨ社長に就いたばかり。同社は伝道資金を得るために惠範氏が興した会社だ。「沼田家の方が会長になるのが望ましいが、今は難しいだろう」。自らに白羽の矢が立った状況を冷静に分析する。

仏教伝道文化賞の選定など同協会の活動に長く携わり、フォトコンテストや幼児向け絵本の公募など、新たな企画が積極的に打ち出されることを評価する。「世の中は大きく変わっている。これまでの活動はもちろん大切にしつつ、時代に適応する新たな方向性も探っていきたい」

曹洞宗龍宝寺(北海道函館市)の住職として毎朝の坐禅は欠かさない。「研究と実践が統合されてこそ、仏教の真実が明らかになる」が持論だ。親鸞聖人の『歎異抄』や日蓮聖人の手紙などにも影響を受けてきた。「会長が晩年、お会いするたびに自然に手を合わせてご挨拶される姿が印象に残っている。振る舞いが菩薩を感じさせた」。トータルな人間形成の教えである仏教を、宗派の枠を超えて伝えていく覚悟だ。(有吉英治)