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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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対話だけでなく行動を

アジア宗教者平和会議事務総長 根本信博さん(61)

2017年8月23日付 中外日報(ひと)

根本信博さん

アジア宗教者平和会議(ACRP)事務総長にこのほど就任した。ACRPには現在21カ国が加盟し、2020年には東京での第9回大会開催も決定している。アジア各地で争いの種が尽きない中、「心を開いた誠実な対話と、助けを必要とする人々のための行動指向型の運動を追求したい」と語る。

これまでイラン、ソマリア、旧ユーゴスラビアなどで、難民支援に携わってきた経歴を持つ。1990年代に入って東西冷戦が終了。平和な時代が訪れると思われたが、たがが外れたかのように民族紛争が世界各地で勃発した。相手の立場に立って支援することが求められる現場にいたからこそ、「あらゆる命は等しく尊い」という全ての宗教に共通する信念が問題解決の鍵となるとの思いを強くした。

そうしたことを熱く語っていると、しばしば「理想主義者なんですね」と指摘を受ける。「私は理想主義的現実主義者です」と反論することにしているという。目指すのは、大きな理想を語りつつその実現に向かって汗を流して行動することをいとわなかったマザー・テレサのような偉大な先人の姿だ。

ACRPはそもそも「行動する運動体」として立ち上がった組織だ。抑圧・差別を受けて苦しんでいる子どもや女性ら社会的な弱者に手を差し伸べることが急務となっている。「本気で行動することが宗教者にも求められる時代。まずはできることから一歩を踏み出し、試行錯誤していく。それが神仏の願いにかなうならヒト、モノもついてくるだろう」と、手ぶりを交えながら訴えた。

(佐藤慎太郎)