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長い歴史つなぐ責務

神宮大宮司 小松揮世久さん(67)

2017年8月30日付 中外日報(ひと)

小松揮世久さん

7月3日付で伊勢の神宮(神宮司庁)代表役員の大宮司に就任した。天皇陛下から直々に「神宮のおまつりは重要なので、身体に気を付けて奉仕に努めてほしい」とのお言葉を賜り、「長い歴史の一こまをつなぐことの責務の重大さを強く意識した」と身を引き締める。

旧皇族で平安神宮宮司も務めた小松輝久氏の孫。24歳で入行した三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)では主に国際畑を歩み、カナダやフィリピンなどに駐在し、「どのような国や文化にも輝くものがあることに気付かされた」という。

50代で学術研究などを助成する三菱財団に移り、様々な分野の優れた研究者と交流する機会を得た。退職後は皇族や旧華族の親睦団体・霞会館の理事を務め、日本の伝統文化の記録を残す作業にも従事。「これまで人や環境にいかに恵まれてきたかを痛感している。大宮司として社会に対し恩返ししたい」と語る。

2033年に迎える次回式年遷宮に向けた準備が始まる。10月下旬には木曽山中で用材のヒノキの伐採始め儀式「斧入式」を予定。「遷宮の伝統に鑑みて着実に踏襲すべき点と改正すべき点を今のうちに整理しておく必要がある」

天皇陛下の譲位に伴う儀式への対応も迫られるが、「現段階では時期尚早。今後、宮内庁が決めるスケジュールに合わせて対応することになる」と話す。

近年増加する外国人参拝者の受け入れ態勢整備にも意欲を見せる。「国籍を問わず、誰がいつ参拝されても、肌で何かを感じられる気持ちのいい聖域であり続けられるよう努めたい」

(岩本浩太郎)