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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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平和へ祈り 宗教の役割

天台宗妙法院門跡門主 杉谷義純さん(74)

2017年9月22日付 中外日報(ひと)

杉谷義純さん

このほど、天台宗五箇室門跡の妙法院門跡の門主に就任した。「蓮華王院(三十三間堂)は単なる観光地ではなく、観音信仰の霊場としての歴史を踏まえ、存在意義を伝える人材の育成と環境の整備に力を注いでいきたい。仏様とのご縁を機に、人々がお寺の仏像や文化財に関心を持っていただけたら」

東京・上野の別格大本山寛永寺塔頭圓珠院の生まれ。慶応大で法律を学び弁護士を志したが、母方の祖父に諭され僧侶の道へ。仏教青年会に入りベトナム反戦運動に参加。「世間の人々が仏教に何を期待しているのかを知りたいと思った。ベトナムでの体験を通じ、平和について考えるようになったのが宗教者としての原点」と振り返る。

天台仏教青年連盟で活動、外国の平和運動団体と広く交流し、やがて諸宗教間対話と祈りが平和の構築に不可欠と確信。

「宗門のあるべき方向を見定め、宗教者として平和の問題に向かい合いたい」と32歳で宗会議員に。5期務めた後に天台宗宗務総長となり、宗派を挙げて平和の問題に取り組み、その成果を発信してきた。

世界の宗教代表者が一堂に会し、平和を祈り話し合う比叡山宗教サミットには87年の初回から関わり、30回目の今年は日本宗教代表者会議事務局顧問として、成功に導いた。

「今も世界各地で武力抗争や憎悪の連鎖が続いている。そうした状況がより悪化し、悲劇が起こらないよう祈り、知恵を働かさねばならない。それが宗教の役割であり、30年の間途絶えることなく続けてきたことに大きな意味がある」と強調する。

(三宅翔士)