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「ひとつ心」の強い宗門

日蓮宗宗務総長 中川法政さん(68)

2018年1月10日付 中外日報(ひと)

中川法政さん

寒一百日の荒行を5回成満した修法師で、「宗門要職者に人脈はない」。地方の末寺住職が宗門活動に関心を持てるようにし、約8千人の教師が「ひとつ心」となる強い宗門を目指す。

昨年12月15日の臨時宗会で、所属する与党同心会だけでなく、野党明和会議員からも支持を得て選任された。日蓮聖人降誕800年の2021年を、4年間の任期中に迎える。宗門一体となって事業を推進するかじ取り役の大任を担う。

立正大や身延山大ではなく、自坊・如在寺(大阪府四条畷市)から通える龍谷大を卒業。広く仏教を学ぶことができたが、宗内に同窓生のつながりはほとんどない。学閥で宗門運営ができるわけでもなく、気にするそぶりは見せない。

宗会議員、宗務内局を務める中で、行堂運営や資格認定など加行に関わる行政の仕組みが分かった。同時に「伝道の先兵とされる修法の祈りが、布教に生かし切れていない」とも気が付いた。

修法師は約3千人いるが、「意見が必ずしも宗務運営に吸い上げられてきたわけではない。修法以外の分野で布教に励む末寺僧侶の中にも、それぞれの立場で同様の思いを抱いている人は多いはず」。意見を言っても聞き入れられなければ、宗門の施策にも関心を持てなくなる。「中央に背を向けていた人たちに日を当てたい」

異体同心でつくる強い宗門の先には、仏教界全体の未来を見据える。「まずは無宗教という人の増加に歯止めをかけねば。仏教界全体の底上げに、日蓮宗が一翼を担いたい」

(有吉英治)