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禅の魅力を伝えたい

花園大2代目総長に就任した臨済宗円覚寺派管長 横田南嶺さん(53)

2018年1月19日付 中外日報(ひと)

横田南嶺さん

河野太通老師を初代とする花園大の「総長」にこのほど就任した。大学経営の実務には関与しないが、建学精神を代表する。「学生の魂に自覚の火を」と抱負を語る。

花園大は臨済宗で僧堂師家と同格の僧侶を慣例的に学長としてきたが、改革推進のため学長資格要件を変え、新たに総長職を設けた。学長も務めた河野老師とは異なり、横田管長は花園大と深い縁はないが、大学側の強い期待がうかがわれる。

管長就任は45歳。8年後の現在も臨済14派で最も若い管長だ。しかし、修行歴は長い。幼い頃、祖父の死をきっかけに仏教に近づいた。和歌山の興国寺・目黒絶海老師に師事し、中学生の時に公案を与えられて独参を始めた。「死について考えることから始めたが、いま、坐禅によって喜び、感動をもって生きている」と力強く語る。

臨済禅の僧侶教育体系は崩れかけている。雛僧教育を経ず、四諦八正道さえ知らずに僧堂に掛搭する者もいる。「禅の修行は己が積み上げてきたものを否定し捨て去ること。しかし、何も知らず訳が分からないまま上から否定されても、坐禅嫌いになるだけだろう」

それだけに花園大が果たすべき役割は大きい。

鎌倉・円覚寺の日曜説教会には遠隔地からの参加を含め約500人が集まり、法話を聴聞する。大学では公開講座「禅とこころ」に出講する他、大学接心でも提唱を行う予定だ。

「禅の魅力を学生に伝えたい。そのためには『流水に文字を書く』手応えでも、『巌壁に刻むような真剣さ』で取り組む」と哲学者・森信三の言葉を引いて思いを述べる。

(津村恵史)