ニュース画像
門信徒大会で基調講演を行う内藤勧学
主な連載 過去の連載 エンディングへの備え
時代を生きる 宗教を語る
購読のお申し込み
新規購読キャンペーン
紙面保存版

人づくりに力を注ぐ

真言宗中山寺派管長 今井淨圓さん(61)

2018年8月29日付 中外日報(ひと)

今井淨圓さん

昨年五重塔が完成し平成の大修理が一段落した真言宗中山寺派大本山中山寺(兵庫県宝塚市)。6月1日に同派管長(中山寺長老)に就任した。「新しくなったハードを生かして、いかに多くの人に来ていただけるか。これからは人づくりに注力したい」と意気込む。

安産祈願の霊場として古くから皇室や武家の尊崇を受けてきたが、近年、祈願に訪れる参拝者は右肩下がりの傾向にある。「安産の次を探さないといけない。寺に求められることは参詣される一人一人によって異なる。参詣者増加の特効薬はない」と言う。

寺は約60人の職員や僧侶で運営されるが、以前に比べて奉仕の心が希薄化していることに危機感を募らせる。「サラリーマン化してはいけない。観音様に奉仕する精神で参詣者の心に寄り添おうと努めれば、参詣者が寺に何を求めているかはおのずと見えてくる」

父は種智院大学長や同派管長を務めた故今井圓明氏。自身も学究肌で龍谷大大学院時代には密教学の大家・故頼富本宏氏に師事し、中国やインドの密教遺跡の現地調査にも同行した。

2009年から種智院大特任教授を務める。執行長として村主康瑞・前管長を陰で支えながら、週に3日は大学の教壇に立ってきた。

管長就任後は周囲の声に耳を傾けるよう心掛けるようになった。「大学の講義は学生への一方通行。管長になると人前で講話する機会が増えるが、講話は相手に合わせて柔軟に話さなければ伝わらない。全て自分でしようとせず、周囲の人の個性を生かしながら、皆の力で寺を盛り立てたい」

(岩本浩太郎)