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粘り強く「絶忿棄瞋」で

天台真盛宗管長 武田圓寵さん(75)

2018年9月12日付 中外日報(ひと)

武田圓寵さん

7月21日付で天台真盛宗管長(総本山西教寺貫首)に就任した。宗務総長や福井県織田町(現越前町)の町長を務めた実績があり、2021年の「不断念佛相続十九萬日大法会」に向けて宗を一つにまとめる手腕に期待がかかる。

開祖真盛上人(1443~95)の説いた「無欲清浄」が人々を幸福に導ける道だと信じて疑わない。それは幼少時代、期せずして仏の道に入り、その教えに救われた自身の経験に根差している。

父は戦前、満鉄に勤めていたが、戦後間もなく他界。母一人で4人の子どもを養うのは苦しく、小学3年で西楽寺(越前町)に預けられた。

寺の雑務をこなしながら学校に通わざるを得ない境遇に同級生とのギャップを感じた。だが、そんな生活を送るうちに無欲清浄の本当の意味に気付いた。「人生の悩みはどうにもならないことを自力でどうにかしようとすることから起こる。それに気付き、釈迦の説いた八正道を実践することが無欲清浄である」

仏道との出会いに感謝するようになり、京都大卒業後は寺に戻り住職を継いだ。政治家も志し、織田町長時代にはインフラ整備や越前焼の販路拡大などにも尽力した。

管長就任に伴い2014年から住職を務めた西蓮寺(三重県伊賀市)を離れる際、色紙に「絶忿棄瞋」と記した。聖徳太子が十七条憲法で示した言葉で、何事も怒りに左右されず粘り強く対応するとの決意が込められている。「一人では何も成就しない。皆が同じ方向を向いていけるよう、様々な立場の人と話し合って宗のためになることを一つ一つ実現させたい」

(岩本浩太郎)