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時代に即した宗制に

曹洞宗宗務総長 鬼生田俊英さん(81)

2018年11月16日付 中外日報(ひと)

鬼生田俊英さん

曹洞宗大本山總持寺系宗政会派總和会の会長4期目にして、宗務総長に就任した。

僧堂を渡り歩き、大乘寺(金沢市)で西堂を務めた澤木興道老師の下で修行した。正月、典座当番(修行僧)が餅と間違って洗濯せっけんを煮込んだ。何ともいえない香りが漂っていたが、隣に座る澤木老師は平然と平らげたため、慌てて食べた。その後、謝りに来た修行僧に澤木老師は「お前らは腹が黒いんだから、たまには洗濯せっけんで洗え」と笑った。「澤木老師の下で修行したのは2、3年だったが、思い出は尽きない。奥行きのある人だった」

地元・福島で自動車学校や広告代理店を経営し、宗議会議員に当選後は東京グランドホテルの再建に尽力した。1999年の宗議会で、事実上破綻していた経営について、議員1期目ながら果敢に提言した。その提案に基づき、運営株式を清算。180人の従業員を30人まで減らす大なたを振るい、宗門の檀信徒会館という形で再スタートさせた。翌年からは黒字に転じた。「ここをなくしたら曹洞宗は大きな財産を失う。この牙城は今後も守る」

時代に即応した宗制の見直しを強調する。「いくら力んでみても、足元の宗制(規程)が現代に合っていなければ空転するばかり。そして健全財政。行政と財政は表裏一体。さらに財政を健全化させ、迫り来る過疎等の問題は現場の視点を入れながら取り組んでいかなければいけない」と決意する。

宗門を取り巻く状況が厳しさを増す中で、経営能力を生かした手腕に期待がかかる。

(赤坂史人)