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華道家元池坊次期家元 池坊由紀さん(48)(1/2ページ)

2014年8月6日付 中外日報(ほっとインタビュー)

人らしく生きる知恵

女性初の家元に指名されている池坊由紀さんは、550年の伝統を守るため「強い約束」を交わしている。

(杲恵順)

華道家元池坊次期家元 池坊由紀さん
池坊専永家元(81)の長女として全国各地の本部花展等へ出瓶。講演やシンポジウムにも精力的に参加し、海外でのいけばな普及にも尽力している。

東日本大震災以降、いけばなの精神が見直されていると聞きました。

池坊未曽有の大震災を経験して以降、若い人たちを中心にいけばなを通して、自然との共生や、その中から生まれる精神性を学ぼうという機運が高まっているように感じます。

外国の方、中でも留学生の方は「せっかく日本に来たのだから、日本の伝統文化を知りたい」と、以前から多くの方が学んでくださっていました。一方、日本ではお茶といけばなが花嫁修業だった時代がありましたので「昔風で嫌だ」と敬遠される方もいらしたんです。ところが震災以降、日本の学生さんがたくさん受講してくださるようになりました。

理由を尋ねてみますと、いけばなを通して「昔の日本人の考え方を知りたい」「自然と人との向き合い方、関わり合い方を学びたい」という方が多くいらっしゃいました。そういった意味では、550年以上、先人が培ってきたいけばなの中に身を置いて「人の力を超えた自然の中で、人が人らしく生きていく知恵を学びたい」と感じた方が多かったのではないでしょうか。

昨年は、伊勢神宮(式年遷宮)や出雲大社(大遷宮)でも献華させていただきましたが、両神社の方から「震災以降、若い方の参拝者が非常に増えた」とお聞きしました。しかも、「きちんとお辞儀をして、お参りするときの心構えもちゃんと持っている」と。自分の力を超えた大きな存在に目を向けて、謙虚な気持ちを持つことは、大変素晴らしいことだと思います。

今の方は「覇気がない」とか、「内向きだ」とかいう声もありますが、このグローバルな激動の時代の中にあって、彼らなりに、懸命に「心のよりどころを探して、時代に向かい合っているのかな」と私は思います。