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作家・活動家 雨宮処凛さん(39)(1/2ページ)

2014年9月10日付 中外日報(ほっとインタビュー)

今こそ「駆け込み寺」

かつては無力で世の中に生きづらさを感じていたが、社会運動を通じて世の中は変えられると確信した。貧困や労働などの問題に取り組み、弱者が幸せになる世の中の実現に向けて活動する。

(赤坂史人)

作家・活動家 雨宮処凛さん
2000年、自伝的エッセー『生き地獄天国』で作家デビュー。メディアなどで積極的に発言。『生きさせろ! 難民化する若者たち』(07年)は日本ジャーナリスト会議賞を受賞。反貧困ネットワーク副代表。

貧困問題の背景には、何があると見ますか。

雨宮貧困問題や労働問題は、さまざまなところでつながっている。多くの労働者は、たとえブラック企業でも簡単に辞めることはできない。非正規社員で食べていけないというのも貧困だが、厳しい境遇にいながら逃げ出せないというのも一つの貧困。労働が劣化すればするほど、NOと言えない労働者が増えていく。どんな条件でも働かせてほしいと言う人がこれほど増えたから、低賃金で働く労働者やブラック企業が蔓延するようになってしまった。

景気の低迷によって人の生きる基盤が崩され、信じられないほどの長時間労働や過労死、自殺などの問題が出てきた。しかし、そこにしがみつかなければフリーターになり、最悪はホームレスになってしまう。全ての問題が地続きで、この20年で、まともな人間らしい生活が一部の人にしかできなくなった。だから労働環境を含めて、まともな働き方、まともな生活、生存の要求をしている。

貧困問題に関して宗教者もさまざまな取り組みをしていますが。

雨宮欧米など海外のホームレス支援の状況を見ると、チャリティーの精神がすごく強く、キリスト教会が頑張っていると感じる。炊き出しも日本の支援団体とは比べ物にならないほどの規模。米国では政府の貧困対策がぜい弱であるために、民間の支援が厚いということもあるだろうが。

日本の寺社や教会が米国並みのことをしてくれたら、多くの人が救われると思う。「駆け込み寺」という言葉があるように困った人を受け入れるのが、お寺の本来の姿ではないか。宗教に対する過大な幻想かもしれないが、そのような期待がある。