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京都精華大学長の漫画家 竹宮惠子さん(66)(1/2ページ)

2016年3月2日付 中外日報(ほっとインタビュー)

宗教とは宇宙そのもの

京都精華大の開学と同じ1968年にデビュー。少女漫画界に新たなジャンルを切り開き、表現者として一時代を築いた竹宮惠子さんは、「因子の一つ」としての生き方を提唱する。

(杲恵順)

漫画家 竹宮惠子さん

1950年、徳島県生まれ。68年に『リンゴの罪』でデビュー。代表作『風と木の詩』『地球へ…』で小学館漫画賞受賞。2000年に京都精華大の教授となり、14年に学長に就任した。同年秋に紫綬褒章を受章。

コンピューターが人間を管理する世界を描いたSF漫画『地球へ…』の中では、「宗教学総合理論」という表現を用いて、その体制に疑問を持たない人類のことを描いていますね。

竹宮この作品の舞台は、コンピューターが人間を迷わないように立て直し、自信を持って行動できるようにフォローしている時代なんです。人間が迷い、逸脱することによって「異分子」というものが生まれ、世界に変化が起きていく。

「宗教学」という言葉を使ったのは、宗教では「救う」と言いますが、人の心の「ブレ」みたいなものを、コンピューターが正している社会だからです。

私にとって宗教は、宇宙そのものみたいな存在。世界の混沌がいつも渦巻いていて、一見すると動いていないように見えるけれど、実は「じわっ」と動いている。そこに外からまったく違う因子が飛び込んできたり、はじけたりするというのは、大きなうねりの中では実は分子の世界のように小さな動き。でも、それがあるのとないのでは大きく違う。そういうところに宗教的な部分を感じます。

そして、その世界の中での私は、外から投げられる因子ではなくて、それが当たって動く因子の一つ。「自分がこう動いたから何かが起きる」ではなく、「当たったから動く」。ただそれだけです。

「人間は一人一人が価値あることをするために生きている」と言われることがありますが、私は因子としてきちんと生きることにこそ価値があると思っています。人には欲があるのでなかなかそうは生きられませんが、小さな「かけら」だけど、そこになければ今の状態は成り立たない。「かけらだけど踏ん張るぞ」という感じがいいのではないでしょうか。