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「壊憲」と闘う憲法学者 小林節さん(66)(1/2ページ)

2016年3月23日付 中外日報(ほっとインタビュー)

護憲的改憲主義者を自認

かつての「タカ派改憲論者」は、いま安保法制反対の先頭に立ち、自民党の「日本国憲法改正草案」を「壊憲」と一刀両断する。憲法学者・小林節氏の中で何かが変わったのか。変貌の中で一貫してきたものは何か。

(津村恵史)

憲法学者 小林節さん

1949年、東京都生まれ。慶応義塾大卒、同大学院法学研究科博士課程修了。同大教授を経て現在、名誉教授。法学博士。専門は憲法学。「立憲政治を取り戻す国民運動委員会」の事務局幹事。

20年前の宗教法人法改正の時、自民党などが創価学会と公明党の関係を取り上げました。その際、小林先生は憲法学者の立場で政教分離違反ではない、と指摘したのを記憶しています。

小林宗教的信条に基づいて政党をつくるのは海外で幾つでも例があることです。宗教が権力と一体化したら政教分離違反になるのであって、宗教政党それ自体が違憲ということにはならない。憲法は信教の自由と参政権をともに保障しています。

当時は右寄りの改憲論者のイメージでしたから、少し意外でした。

小林他の憲法学者は黙っていたんでしょう。私は憲法学の立場から常識的な理解を話しただけです。政教分離の解釈は今も変わりません。公明党自体の評価はまた別ですが。

私は自民党の憲法改正草案を「改憲」ではなく「壊憲」だと批判していますが、私自身がリベラリストであり、憲法改正論者であることは変化していません。現行憲法は基本的に良い憲法だと考えています。ただ、より良い内容に改正する余地はまだある。その意味で「護憲的改憲主義者」を自認してきたんです。

憲法「改正」に触れること自体をタブー視するような傾向がある中、積極的に改正論を唱えてきましたね。

小林自民党は憲法改正を党是にしていますが、歴代総裁は任期中の実現は考えなかった。私は岸信介・元首相が会長をしていた「自主憲法制定国民会議」に参加し、1992年には私自身の「憲法改正私案」を公表しています。94年に読売新聞社が出した「憲法改正試案」作成にも深く関わりました。