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「笑顔こそ噺家冥利」と語る落語家 三遊亭好楽さん(69)

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2016年4月6日付 中外日報(ほっとインタビュー)

寺にも「高座」の共通点

江戸情緒あふれる寺町に住み、寺町を愛する。破門23回は落語界一。だからこそ師匠らへの恩を忘れずに、墓参りは欠かさない。義理人情や人付き合い、人生訓の大切さを訴え、現代日本人のマナーの乱れに警鐘を鳴らす。

(佐藤慎太郎)

落語家 三遊亭好楽さん

東京都生まれ。本名・家入信夫。19歳で先代林家正蔵に弟子入りし、その後、長寿演芸番組「笑点」の大喜利メンバーとしておなじみの顔に。自宅の一角に寄席小屋を2013年に設け、若手の育成にも力を入れている。

お寺で落語をよく口演されていますよね。

好楽落語家とお寺さんには共通点があるんだよね。どっちにも「高座」があって、そこから話すでしょう。お施餓鬼なんかで人が集まるときには、どこのお寺でも落語会を開いてほしいね。落語で笑った後に、お坊さんのありがたいお説教を聞くなんていいと思うんだけどなあ。

私自身は縁あって、養福寺(真言宗豊山派、東京都荒川区)というお寺で、入り口の仁王門にちなんだその名も「仁王寄席」という落語会を、40年ほど前から月に1度くらいと頻繁に開いてもらってきました。近所の人たちを含めて80人くらいのお客さんを前に落語をやらせてもらうのは大変勉強になったよ。若手の頃から非常にお世話になったという思いがあって、そのうちお寺の近所に引っ越してきちゃった。通うのも楽になったしね(笑い)。

自宅のある谷中の辺りをヘリから空撮したのを見たら、ほとんどお寺の屋根だらけ。人情味の深い寺町に住んでいるうちにお寺のある風景が大好きになりました。今じゃあ、お寺の塀の向こうの墓場から、塔婆が風で揺れて擦れる「カサカサ」という音が聞こえてくるだけで「お、良い音がするな」なんて思うもの。

お寺さんも含めいろんな人にお世話になって今の自分があるんだから、「自分さえ良ければいい」なんてのは絶対に許されない考えだと思っているんだよ。今、寄席小屋「しのぶ亭」を建てて、若手を育てるための発表の場としているのも、すでに亡くなって恩を返したくても返せない人たちへの、いわばお礼の気持ちのあらわれだね。