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いのちのつながりを描く日本画家 森田りえ子さん(60)(1/2ページ)

2016年5月11日付 中外日報(ほっとインタビュー)

生きている重みを描く

鮮やかな花々と女性の姿。生命の躍動を感じさせる作品を発表し続ける森田さんの創作意欲は尽きない。

(萩原典吉)

日本画家 森田りえ子さん

1955年、兵庫県生まれ。鹿苑寺金閣の方丈・杉戸絵と客殿天井画や、真澄寺別院流響院の襖絵を制作。毎年、奈良・東大寺の絵馬を手掛けている。京都府文化賞功労賞など受賞。京都市立芸術大客員教授。

“生きている息吹を感じるもの”に共感されるそうですね。

森田私が描きたいのは、生きている重みです。重みには重要さという意味もあるんですが、存在感を描きたい。

例えば自然の中に在る一本のツバキを写生するとします。何日もその場に通い、日の出から日の入りまで、それこそ見えなくなるまで写生していると、自分も、植物も、群がってくる昆虫や鳥たちも、それから風さえも、みんなが一つの宇宙の中で共存している気持ちに入っていける。そうしたら、デッサンする手がリズミカルに動く。そのリズムに自分も一緒に生かされている気持ちになる。

咲いているツバキの花を実際に触ると重量感があり、茎を触るとポキッと音がして、中からみずみずしい樹液がしたたり落ちる。それを感じるとぞくぞくする。生きているということは、こういうことなんだと。蜂やチョウも遊びに来ているんじゃなく、いのちをつなぐために来ている。必死で蜜を求め、お尻を花粉だらけにしながらも、全てが生きるということを真剣につないでいる感じがします。

いのちの連鎖のプロセスを、絵として表現することが、私の仕事だと思う。全てが一つの宇宙の中で、知らず知らずに次の世代にいのちをつないでいる。

人物を写生する時も同じです。特に裸婦を描いていると、それこそ息吹が伝わってきますし、またいろんな姿に形を変えて、私に迫ってくる。こちらからポーズを付けることもあるけれど、モデルさんのちょっとした仕草から、これを描きたいと思う瞬間がある。

「草木国土悉皆成仏」という言葉がありますが、全てが共に生きている。写生を通して、それを強く感じるようになりました。絵を描きながら、そのことを体得したということです。