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「逆説の日本史」で歴史の真実に迫る作家 井沢元彦さん(62)

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2016年12月14日付 中外日報(ほっとインタビュー)

宗教抜きの歴史に不満

日本の歴史通説にあえて逆説を唱え、推理、検証して真実を解き明かす「逆説の日本史」を執筆し続けて四半世紀。シリーズはすでに古代から明治維新へと至り、5年前からは「逆説の世界史」にも挑んでいる。

(河合清治)

作家 井沢元彦さん

1954年、名古屋市生まれ。早稲田大法学部卒業後、TBSに入社。31歳で退社し、執筆活動に専念。独自の歴史観を開拓し、連載中の「逆説の日本史」は1120回を超える。大正大、種智院大の客員教授も。

なぜ、「逆説の日本史」を書こうと思ったのですか。

井沢TBSの報道記者時代にいろいろ学んだ中で、「権威者が言ったことをうのみにするな。全てを疑え」ということと、「常識を大切にする」という二つの鉄則がありました。

私は歴史学の上では素人ですが、情報を集め、分析、解析するということに関しては報道記者としてプロだったわけで、そういう立場から見れば、歴史学者といわれる人たちの歴史解釈の仕方が非常におかしく見えました。

当時の世間の常識に目を向けず、権威者の書いた公文書等にばかり頼り、宗教思想や哲学、人々の信仰など宗教抜きの歴史になっていることが不満でした。もう一度、それを当てはめて、ちゃんと歴史を見直した方がいいんじゃないかと考えたのが「逆説の日本史」です。1992年から小学館の『週刊ポスト』に連載を始め、もう25年になります。

もともと歴史が好きだったのですか。

井沢学生時代から歴史ミステリーを書いていて、TBS在職中に書いた『猿丸幻視行』が第26回江戸川乱歩賞を受賞しました。その後、「ミステリーとしてあえて謎は作らなくても歴史には謎がいっぱいある。同じ手法で、それを解明することも可能では」と考えるようになりました。

昔は、『日本書紀』に書いてあることなど官製の歴史が「正史」と呼ばれて大切にされ、民間の個人の書いた歴史は「野史」「外史」とされ、軽んじられていました。だけどジャーナリストの常識として考えれば、「御上」の言ったことが正しいということは絶対にないわけです。むしろ、権力者というのは自分の都合のいいように、歴史をねじ曲げるものです。