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バリアフリー・バラエティー番組のご意見番 玉木幸則さん(48)(1/2ページ)

2017年1月25日付 中外日報(ほっとインタビュー)

そのままの姿で生きる

脳性まひの当事者としてNHKEテレの“みんなのためのバリアフリー・バラエティー”「バリバラ」にレギュラー出演。多様性のある社会の実現を訴えている。

(池田圭)

バリアフリー・バラエティー番組のご意見番 玉木幸則さん
1968年、兵庫県姫路市生まれ。日本福祉大社会福祉学部第Ⅱ部卒。同県西宮市の障害者総合相談支援センターにしのみやでセンター長を務める傍ら、NHKEテレの「バリバラ」でレギュラーコメンテーターを務める。著書に『生まれてきてよかった てんでバリバラ半生記』。

宗教で苦しんだことがあるそうですね。

玉木母がある宗教の熱心な信者で、「信心をすれば障害は必ず良くなる。お前もお経を唱えなさい」と言う。

しかし「本当に治るのか」と思っていたんですよ。だって脳性まひで不自由な足を手術しても治る気配は一向になかったから。

ある時、母に信仰を「やめたい」と言ったのですが、認めてくれずに嫌々続けていました。

それから、その宗教のメンバーの人たちがどこに住んでいてもしつこく訪問し、勧誘してくる。地元から離れた大学時代にも必ず訪問があり、精神的にきつくなって心療内科にも行きました。そして、ある時ついに勧誘に来た人たちに「出るとこに出よか」と裁判沙汰をほのめかしたら、さっと引いていきました。

以降は楽になれましたか。

玉木その宗教をやめたいと思うようになったのは高校から大学に進学する前後の時期だったのですが、その頃までは「それでも障害は治さないといけない」と思っていた。「あなたは障害があるのだから、人一倍頑張らないとついていけないよ」と周囲からも言われていました。

それで自分なりに一生懸命頑張っていたつもりなんですけど、冷静に考えてみると、どんなに頑張っても障害の影響で上手に歩けなかったり、字をうまく書けなかったりという事実は動かせない。

なぜそれを認め、周囲の人たちは「そのままの姿で生きていていいよ」と伝えてこられなかったのか。その不思議さや「『治さないといけない』と思い込まされていた」ということに気付いたんです。「治せない障害がある。それが自分なんだ」と。すると驚くほど楽になりましたね。