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アジアの途上国で無償で治療を続ける小児外科医

吉岡秀人さん(51)(1/2ページ)
2017年2月8日付 中外日報(ほっとインタビュー)

笑顔の少女に神を見た

ミャンマーに単身渡り、医療活動を始めて20年以上がたつ。2004年に国際医療ボランティア団体のジャパンハートを設立。アジアの途上国で、貧しくて治療を受けられない子どもたちと向き合い続けている。

(甲田貴之)

小児外科医 吉岡秀人さん

小児外科医。1965年、大阪府吹田市生まれ。95年からミャンマーで医療活動を始め、2004年には日本の医療者をアジアの途上国に派遣する「ジャパンハート」を設立。他にも養育施設の運営や医療人材の育成など活動は多岐にわたる。

現在も各国を回りながら、1日に30件以上、手術をすることもあるそうですが、治療活動を続けていられる原動力は何でしょうか。

吉岡僕の活動のコンセプトは、自分のためにやっているということ。無償でやるのも、僕らが僕らのためにこの活動を始めたからなんです。ミャンマーの人に「助けてくれ」と言われたのではなく、貧しくて医者にかかれずに死んでいく子どもたちがいるという現実に、僕らは我慢できなかった。

患者が喜んだり、家族とうれしそうに帰っていく姿を見ることで、僕たちは自分の価値を感じることができる。他人を幸せにすることが、自分が幸せになる一番の近道で、患者はそのチャンスをくれている人たち。だから、感謝しても「やってあげているんだ」とおごることはありません。

患者に神様が見えるとおっしゃっています。

吉岡巡回診療をしている村で、ひどいやけどで手が溶け、指がくっついてしまった10歳くらいの女の子を治療した時のことです。指を一つ一つ外して、1週間に1度、診察を続けていました。だいぶ良くなり、最後の診察で「もういいね」と声を掛けると、彼女が私の手をさすってくれました。

ふと、私は神様、仏様に褒められているように感じました。言葉は通じませんから、それが彼女なりのお礼だったのでしょうが、患者の背後で彼らを動かしている神仏を相手にしていると実感することがあります。

また、患者の姿から人生を想像し、その存在そのものをいとおしく、ある種の神々しさを感じることがよくあります。