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難民が安心して暮らせる社会の実現を目指す 石川えりさん(41)(1/2ページ)

2017年7月26日付 中外日報(ほっとインタビュー)

難民も等身大のひとりの人間

高校生の時、民族の違いで隣人同士が殺し合うルワンダ内戦の悲惨な状況を知ったことから難民支援を志し、国内外で支援の現場に携わってきた。中東・シリア難民問題をはじめ、世界的にも難民に関する状況の悪化が続いていることに心を痛めている。

日本では、難民に対する偏見がいまだ根強い。遠い異国に逃れなければならなかった難民も、一人の人間であることに何ら変わりはなく、等しく尊い命であるということを、社会に対して粘り強く訴え続けている。

(佐藤慎太郎)

難民が安心して暮らせる社会の実現を目指す 石川えりさん
いしかわ・えり氏=1976年生まれ。難民支援協会代表理事。上智大卒。同協会設立にボランティアとして関わった。企業勤務を経て職員となり、主に調査、政策提言の分野において国内外で活動してきた。2008年に事務局長、14年に代表理事に就任。

日本に来る難民への支援活動に取り組もうと考えたきっかけは。

石川1994年、ちょうど大学でどのような勉強をしようかと迷っていた高校3年生の時でした。アフリカのルワンダで内戦があってその結果、一説には犠牲者は100万人ともされる大虐殺が起こっていると知りました。「ツチ」か「フツ」かという民族の違いで、昨日まで隣人だった人たちの間で殺し合いが始まったのです。数十万人が難民となり、逃れた先でも支援が行き届かず、命を落とす人がいるということに衝撃を受け、何とか解決に携われないかと考えたのがきっかけです。

その後、人権NGO団体アムネスティ・インターナショナル日本でボランティアをする縁があって、「日本にも難民がいるんだ」と気付かされました。そういった経緯もあり、大学では法学部で難民を生み出さない環境づくりのため国際人権法などを学び、99年に設立された難民支援協会では準備会の段階から携わらせていただきました。

協会はゼロからつくり上げた当時に比べれば知られるようにはなりましたが、あまり喜ばしいことではありません。シリア難民をはじめ、それだけ世界的にも難民の状況が悪化し続けているということで、残念でなりません。

協会ではどのような取り組みをしているのですか。

石川2015年度は、66カ国680人が事務所に相談に来ています。その日の食事にも困っている人に食べ物を提供したり、寝る場所がなく少しでも休ませてほしいと、事務所で毛布にくるまって横になっていることもあります。まずは寄り添い、相談を通じて本人の生きる力を引き出す生活支援から、難民申請のための法的支援、自立に向けた就労支援、地域で暮らすことを支えるコミュニティー支援も行っています。

日本で安心して暮らせるよう一人一人の方を支援し、一方で、彼らと共に生きられる社会をつくるための政策提言や広報も活動の柱となっています。