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1万人をおくった納棺師 堀江満さん(47)(1/2ページ)

2017年8月23日付 中外日報(ほっとインタビュー)

納棺を「厳粛なセレモニー」に

死者と親族が最後に直接触れ合う納棺や湯灌。納棺師は、葬儀に至るまでの流れの一つだった場面を厳粛な「セレモニー」に変えた。

これまで1万体以上の遺体に接してきた。映画「おくりびと」では、納棺師を演じた本木雅弘さんを技術指導した。これがきっかけになり、黒子だった納棺師という存在に光が当たることに。だが、「セレモニー」としての納棺が浸透していない地域もある。様々な場所で「人生の最期の一度しかない機会」を荘厳しようと意欲を燃やす。

(丹治隆宏)

1万人をおくった納棺師 堀江満さん
ほりえ・みつる氏=1969年、北海道生まれ。95年から納棺師の道を歩み始める。2011年に独立し、納棺や湯灌を専門的に手掛けるNK西日本株式会社(本社=神戸市灘区)を設立。代表取締役を務める傍ら、多くの後進を育てる。

納棺師という仕事は、いつからあるんですか。

堀江古くからあるわけではありません。納棺や湯灌と呼ばれるものは、亡くなった方のご遺族や地域の隣組でしていたものです。だから、葬儀の一連の料金の中にも入っていませんでした。病院で亡くなると、看護師さんがある程度、ご遺体をきれいにしてくれます。そこで、何もしないでお棺に納めてしまう場合も多いと思います。

ですが、納棺は親しい人たちがご遺体に最後に接する場面でもあります。私たちとしては、そこを儀式として大事に捉え、セレモニーとして行いましょうという考えです。

亡くなれば、死後硬直が始まります。「着せ替えなんてできるのか」という不安を持つ方もいるかもしれません。でも、ご遺体のお肌を見せないようにして、きちっと着付けができるような技術を私たちは身に付けています。

みんなが白装束だけを着たいというわけでもありません。背広や和服を望む場合もあります。それを見えない所で着付けするのではなく、ご遺族が見ている前で、皆さんと一緒に納棺をするということです。

社会に知られるようになった発端は。

堀江葬儀業界の中で広まりつつあったのですが、俳優の本木雅弘さんが納棺師を演じた映画「おくりびと」(2008年)が契機となって、一般の方からも注目されるようになりました。

「納棺師」という言葉は、私がこの仕事を始めることになった会社で、試験に合格した社員に与える社内資格のようなものでした。映画が公開されるまでは、地域や会社によって「湯灌師」「死化粧師」と呼んでいる所もあったのですが、映画の影響で「納棺師」という呼び方が定着するようになりました。