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「愛する地球」を歌うフォークシンガー 南こうせつさん(68)

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2017年10月11日付 中外日報(ほっとインタビュー)

地球は精神を高める修行の場

大分県の曹洞宗寺院に生まれ、上京後にフォークバンド「かぐや姫」を結成、「神田川」「妹」などの名曲を生み出した。今夏には2作目の御詠歌「澄み渡る空」を作詞作曲。今もファンを魅了し続けるが、40歳の頃、浮沈の激しい業界で体調を壊した。その時、人生は状況に応じて己の身を運命に委ねる「他力」という生き方もあることに気付いた。「自らが選択して愛すべき地球に生まれてきた」という独自の考えを持ち、環境問題や平和、信仰などの大切さを熱く語る。

(赤坂史人)

「愛する地球」を歌うフォークシンガー 南こうせつさん
みなみ・こうせつ氏=1949年、大分市の曹洞宗勝光寺の三男に生まれる。70年にソロデビュー。「かぐや姫」時代に「神田川」「妹」などがミリオンセールスを記録。コンサートを通じて、広島原爆養護ホームや東日本大震災被災地の支援も行う。テレビやラジオ、コンサートで活躍中。

ご出身の勝光寺での思い出はありますか。

もちろんです。小さい頃はお寺の年中行事の中で育ちましたから。私は4人きょうだいの末っ子で、父に連れられて小学2年の頃、「座るだけでいいから」と小坊主としてお盆の檀家回りでデビューしました。一番簡単な「舎利礼文」というお経を全部平仮名にして、兄のアドバイスを受けながら練習しました。

禅宗は「修証義」というお経を何章か読みますが、その時もただ「『舎利礼文』だけでいいから」と、言われたまま大きな声で頑張りました。でも父とは全然響きが合わないじゃないですか。後ろで手を合わせている檀家さんは気持ちが悪いだろうと、そっと振り向いたら、ほとんど眠っていました(笑い)。

「うちのおとうさん」という歌も作られていますね。

父は優しかったですね。冬の朝、暗いうちから本堂の木魚の音がして、その音でいつも起こされました。小学3、4年の時、父に毎日お経を唱えて意味があるのかと質問したことがあるんです。友達のお父さんは役所に勤めたり、畑を耕したり……。「仏様って本当にいるのかな」と疑ったり。それでも父はただ笑っているだけでした。

その答えは出たのですか?

答えになるか、どうか……。20歳の時、不思議な体験をしたんです。毎年お盆はお寺にとって一番忙しい時ですが、2年間ギターばっかり弾いて帰らなかったんです。そしたら体調を崩したんです。病院へ行っても原因が分からない。それで小さい頃からのかかりつけの先生なら分かるかもしれないと母に言われて、久しぶりにお寺に帰ったんです。

なんだか懐かしくて境内の仏様にお線香を上げました。そして最後の無縁仏に手を合わせた時、「ふわっ」と体が軽くなってご先祖のビジョンを見せられたんです。その時に目に見えない世界があるのかなぁと直感しました。例えば仏教の輪廻の話も今はロマンを感じています。

そして、なんと不思議なことに3年後、「神田川」がヒットするんですよ。「かぐや姫」で、3枚目のレコードを制作中に新しい歌を作ることになった。締め切りギリギリで作詞家の喜多條忠が電話で歌詞を伝えてきたんですよ。私は歌詞を聞き書きしていたんですが、同時進行でメロディーが出てくるんですよ。そんなことは後にも先にもあれっきりです。詩を頂いて3分くらいでまとめ上げたんです。