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「知憲」を提唱する 谷口真由美さん(43)(2/2ページ)

2018年7月25日付 中外日報(ほっとインタビュー)

ゼミの学生とはフランクに同じ視点で相談に乗る(大阪国際大で、左から3人目が谷口さん)
ゼミの学生とはフランクに同じ視点で相談に乗る(大阪国際大で、左から3人目が谷口さん)

伝統仏教教団は多かれ少なかれ徳川幕府と近い関係だった歴史があります。その反動で明治維新では廃仏毀釈という辛酸をなめました。

谷口政権中枢に関わった歴史があるからこそ、伝統仏教教団は政教分離の重要性を訴える役割があると思います。新宗教の政党化についても「我々はその危うさも経験してきたから本当に力を持つのはあかんで」と。仏教界の内部で批判の声を出さないとあかんと思いますね。

憲法の保障する「信教の自由」はどんな神さんでも仏さんでも信じていいという規定ですから、伝統仏教界はこの規定を皆が守ろうよと声を大にして言ってもいいのではないでしょうか。

大阪国際大に入学する際に父親から言われた一言で発奮したとか。

谷口「女が三流の四大(四年制大学)に行って何すんねん」と。高校は進学校でしたので浪人も考えましたが、入学式の日に天気が良くて母親から散歩がてらに行ってみようと誘われて行ったら、教官が東大や京大、阪大を退官された方ばかりで、レベルの高い講義が聴けるんちゃうかと思ったんですよ。

それから、毎年成績の上位6番以内に入ったら奨学金が出るというのも知って、父親に「必ず毎年1番の成績取るから」と頼んで行かせてもらうことになりました。約束通り、毎年1番の成績を取り続けましたね。

学者の道を志したのは。

谷口大学2回生の時に周りから学祭の委員長をやってくれと頼まれて就任したところ、自治会OBから「女はなられへん」と反発を受けたことがありました。私も「やったるわ」とたんかを切って、当時の人脈を総動員してビンゴの景品を集めたり、吉本新喜劇を呼んできたりと、やれることをみんなやって成功させてやりました。

私は父母の仕事の都合で、6~16歳の時期に近鉄のラグビー場の寮で暮らしていて、屈強な男ばかりの環境で育ったのですが、自治会OBから受けたような性差別を経験するのは初めてでした。

この経験もあって、3回生の時に女性差別撤廃条約を研究している先生のゼミに入りました。ちょうど、第4回世界女性会議の北京宣言が採択された年で、その文献を調べるうちに、隣のゼミの先生に「人権を学びたければ、まず憲法を学びなさい」と言われて、和歌山大大学院に進みました。

そこで教官に言われたのは、大学院に行くのは出家するようなもんやと。よっぽどのものを身に付けられへんかったら社会は受け入れてくれへんぞと。今振り返ると本当だったなと感じますね。

男女平等の実現という点では、仏教界は一般社会から遅れている感があります。

谷口仏教の性差別は仏教本来の思想にあったというよりは、仏教を伝えた男性の心にあったと考えられます。仏教は差別の宗教でしょうか、誰かを苦しめるためにある宗教でしょうか。そうではないときっぱり言うためには、経典などに見られる性差別にも真摯に向き合うべきです。差別する心とどう向き合うか。今まさに仏教界に問われていることだと思います。