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科学技術の暴走抑止 宗教の役割を論議

2018年5月8日 17時46分

シンポジウム「現代社会における宗教の役割」が4月22日に大津市・比叡山の延暦寺会館で開かれ、科学技術と宗教の関係をめぐって論議が交わされた。

元京都大総長、元国立国会図書館長で情報工学・言語処理学者の長尾真氏が「科学と宗教の対話」として講演。20世紀末に生命科学や情報、原子力などの科学技術は発展の極に達したが、「峠を越えた状態で悪いことも多く、いわばパンドラの箱を開けた。人間の幸せにはつながっていないのではないか」と提起した。

そして「科学は物事を要素に還元して分析し全体をそのまま捉えることをしない。やれることは何でもしてしまう。飽くなき欲望による資本主義社会を見直し、進歩発展より循環的定常へ転換することが重要」とし、そこで哲学的視点から「自分を含む全世界を内に抱え認識する人間の『心』のありようを対象とする宗教」が欲望を制御し、技術の暴走への歯止めになると語った。

また「心の時代」とされながら、苦難に対処する「心のケア」でも宗教より科学技術である心理学的ケアが選択されることなどを指摘。「宗教は必然的に世界とは何かを相手にせざるを得ない。今後、(人間存在についての)認知科学や脳情報学が発展することを考えると、利他や慈悲、共感の教えを持つ宗教が科学と協調して積極的に時代を先導してゆくことが望まれる」と訴えた。(詳細は2018年4月27日号をご覧ください。中外日報購読申し込み