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<連載・断面>宗会⑥

2014年4月23日付 中外日報

歳費に見合う職責が果たされているのか

「新幹線のグリーン車料金の支給は止めた。議員に支払われているのは日当と交通費だけなので、もうこれ以上の削減はできない」(真言宗御室派)。「片道2時間以上、乗車する議員にのみグリーン車の使用を認めている」(真言宗大覚寺派)。長引く不況で教団財政も逼迫する中、宗会も経費削減を迫られている。宗会は教団の議決機関であり、当然、経費は必要だが、議員らがそれに見合う職責を果たしているかも問われている。

宗会が招集されると、議員は本山や宗務庁などで数日から約1週間にわたり、議案審議に取り組む。その対価として支払われるのが歳費(手当)だ。交通費、宿泊費、昼食代などは別の場合が多い。

天台宗の歳費は年額で議長は35万円、副議長は33万円、そして議員は27万円だ。浄土真宗本願寺派は定期宗会で40万円、臨時宗会は20万円だ。宗派によっては出席日数が少なくても会期日数分全額が支給される教団もある。

僧侶議員、門徒議員合わせて78人の本願寺派の場合、1回の定期宗会だけで3千万円を超える。

議員30人の天台宗の歳費は年間824万円になる。また議員個人にではないが、政党助成金のような政策研究費400万円があり、各会派に、所属する議員数に応じて配分される。本願寺派では、歳費の他に調査費5万、通信費9万円などが出る。

宗規で歳費に関する定めがない教団でも議員50人、会期3~4日とすれば交通費、日当、宿泊費などで議員1人当たりの支給額は10万円ほどになり、合計では500万円だ。

もちろん、予算案を審議する議員らは教団財政の実情に通じており、自らの身を切る努力を怠っているわけではない。

昨年、資産運用損失問題で激しく揺れた高野山真言宗では「宗団の命運を懸けた取り組みだったのに、それが政争として伝えられたのは残念」と、その宗会への外部の見方に対して不満を抱いている議員も少なくない。内局の不正や暴走をチェックするという面で宗会が機能し、職責を果たした、との自負があるからだ。

今春の宗会では会期を1日短縮することで宗会費を数十万円削減した。議員の中には「(歳費も)返上しよう」という声もあるが、総意とはなっていない。本願寺派でも歳費廃止を訴える議員もいるが、実現には至っていない。

宗会経費をただ削減すればよいということではない。その結果、宗会が本来の機能を果たせなくなったとすれば本末転倒だが、「高齢の議員の中には歳費をまるで教団から支給される年金だと思っている人もいる」との声も聞く。

「宗会で聞法会館の建設を決めておいて、1人1泊約6500円(食事なしの場合)という安い宿泊費で泊まれるようにしたのに、議員はそこに泊まらず、もっと高級なホテルに泊まって1万5千円の宿泊代をもらっているのはおかしい」と明かすのは本願寺派の元議員だ。

「夜は気分転換して会議の疲れを取りたい」という議員の中には、本山の宿泊施設に泊まると、同宿の信徒らの手前、外出しにくいという気持ちもあるのかもしれない。

「教区からの代表が集まる会議には宗会だけでなく教区長会議もあり、屋上屋を重ねている気がする。重なる部分は教区長会議に委ねて、宗会の規模や日程を短縮して経費を削減してもよいのでは」(浄土宗僧侶)などと、宗会の改革を求める声は根強い。

このような不満を払拭するには、宗会自らが歳費の算定基準を明確にして、宗内の理解を得ることだ。そして、定数適正化にも積極的に取り組み、宗会に対する信頼を高める必要がある。