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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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風鐸

宗教や社会の諸情勢について思いをつづるコラム。軒下につるした風鐸の音色のように、読者の心に響くことを願って……。

もう一つの神

2017年8月9日付 中外日報

今年前半は中学生棋士、藤井聡太四段の話題で大いに盛り上がった。7月に入り連勝記録は止まったが、その後また勝利を重ねている。最年少でのタイトル獲得など新たな記録への期待も膨らみ、今後も彼の活躍から目が離せない◆「天才」を物語る逸話は数多い。幼少時から「詰め将棋」に熱中した。小学6年の時、タイトルを持つ棋士も参加する大会で史上最年少で初優勝し、以来3連覇している◆母親との会話中に藤井四段が突然「できた」と声を上げた。頭の中で詰め将棋が解けたのだという。常人にはまるで脳が二つあるかのようなエピソードだ。10人の話を同時に聞き分け、豊聡耳の異名を持つ聖徳太子の伝説も思い起こさせる◆「天才集団」といわれる先輩棋士たちを圧倒する実力はすでに「神の子」とも形容される。神だけが知る将棋の神髄にどこまで迫れるのか。今年、神社へ初詣に行き、祈願の中身を問われると「将棋のことを祈っても仕方ないので、兄の受験の合格を」と答えていた。将棋の神髄は自分で究める決意だと受け取った◆将棋の神と共に信仰上の神に近づこうとする棋士もいる。6月に引退した「ひふみん」こと加藤一二三九段は敬虔なカトリック信者でもある。幼い頃から好きなことに没頭したという藤井四段。この先、彼が夢中になる「教え」との出会いはあるのか。もう一つの関心事だ。(飯川道弘)