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風鐸

宗教や社会の諸情勢について思いをつづるコラム。軒下につるした風鐸の音色のように、読者の心に響くことを願って……。

宇宙からの客

2018年6月6日付 中外日報

昨年の秋、長さ約200メートルで幅・厚さ数十メートルと推定される葉巻のような形の物体が秒速数十キロの猛スピードで太陽の近くをかすめ通った◆研究機関が想像図を発表し、それがSF小説に出てくる恒星間を旅する宇宙船を思わせる形状だったので話題となった。ハワイの言葉で遠方から来た最初の使者あるいは偵察者を意味するという「オウムアムア」と名付けられたが、恒星間を移動してきた天体と分かり、観測史上初の「太陽系外から飛来した天体」として記録された◆地球外生命体はSFの世界だけのテーマかといえば、今やそうとはいえなくなった。地球外から届いた電波に宇宙人のメッセージを見いだそうとしたオズマ計画は半世紀以上前だが、最近ではNASAのケプラー探査機が次々と太陽系外惑星を発見している。その打ち上げには6億ドルが投じられたという◆ケプラーに続いて、今年4月にはTESSという新しい系外惑星探査機が打ち上げられた。本格的に稼働する日も遠くない。宇宙開発は軍事など様々な目的があるが、我々は広大な宇宙で孤独な存在ではないと確認するのも課題の一つだろう◆環境破壊や核戦争で人類が自滅する前に、知性を持つ地球外生命体の存在を確認できるかどうかは、多少心もとない。だが、後の世代の人類が全体として今より賢明になって、その日を迎えることができるよう、心から願う。(津村恵史)