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風鐸

宗教や社会の諸情勢について思いをつづるコラム。軒下につるした風鐸の音色のように、読者の心に響くことを願って……。

笑顔で変わる

2018年10月3日付 中外日報

里に柿の実が色づき、山では熟した栗が人知れず落ちる――。故郷の原風景が懐かしい季節になった◆私たちが食べているのは栗の実ではなく種だという。鋭いイガに覆われているのは動物の捕食を防ぐため、あるいは害虫から身を守るためといわれている。外皮の青い栗をもぎ取るのは容易ではない。イガが褐色に色づき裂けて地面に落ちたら、割れ口から中身は取りやすい◆固く閉ざした人の心を開くのも難しい。栗は種の保存のためにトゲで身を包む。人は自己を守るために心を閉ざす。栗は秋が深まれば自然に裂けて実(種)がこぼれ落ちる。人が心を開くのは、相手が自分の理解者であり、信頼できると判断した時だろう◆笑顔は自他の心をほぐす良薬となる。互いの警戒感が解けると笑顔が浮かぶ。「笑顔にまさる化粧なし」は世界に通用する。自己啓発書の元祖とされるD・カーネギーは「笑顔は1ドルの元手も要らぬが、100万ドルの価値を生み出す」と言っている。リラックス効果、ストレス解消、自然免疫の因子として働くナチュラルキラー細胞の活性化など医学的な効果も注目されている◆仏教は「無財の七施」の一つに「和顔悦色施」を挙げ、笑顔になれば相手も変わると説いている。愛知専門尼僧堂(曹洞宗)の青山俊董堂長が「夫婦げんかは合掌してから始めなさい」と助言しているのも同じことではないだろうか。(形山俊彦)