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風鐸

宗教や社会の諸情勢について思いをつづるコラム。軒下につるした風鐸の音色のように、読者の心に響くことを願って……。

脱「現金」化

2018年11月14日付 中外日報

日本は「キャッシュレス後進国」だそうである。韓国は約9割がキャッシュレス決済、中国も6割で、これに対して日本は2割に達しないらしい。政府は「追いつき追い越せ」とばかりに2025年までにキャッシュレス比率をフランス並みの4割に引き上げ、さらに80%を目指す方針を今春に打ち出した◆クレジット決済を指定する支払いが確かに増えてきた。だが、キャッシュレス社会へと一気に加速する政策誘導は少し嫌な雰囲気だ、というのが個人的な感想である◆最近になって、神社のお賽銭などを「電子マネー」で、というニュースを時折聞くようになった。賽銭・喜捨は信仰に基づく宗教行為で、課税対象にはならないが、カード会社が手数料を取り、国がそれに課税すれば、間接的に宗教行為に対する課税が発生することになる◆日常の実感から外れるので、嫌う人が多そうな議論だが、これは実は国家と宗教の関係に関わる原則問題である。便利で「需要」があるとはいえ、さすがにこの流行追随は行き過ぎだと思う◆お賽銭も気軽に電子マネーで、というニーズを逃すことになるかもしれない。しかし、仮に韓国や中国並みにキャッシュレス化が進み、「現金を使うのはお寺や神社(あるいは教会)ぐらい」といわれるようになっても、信仰を込めた喜捨だ。それはそれでいいではないか。(津村恵史)