ニュース画像
昨年解散した京都市上京区の了徳寺
主な連載 過去の連載
エンディングへの備え
時代を生きる 宗教を語る
購読のお申し込み
新規購読キャンペーン
紙面保存版
トップ> 風鐸

風鐸

宗教や社会の諸情勢について思いをつづるコラム。軒下につるした風鐸の音色のように、読者の心に響くことを願って……。

克服の途上

2018年11月28日付 中外日報

公開中の映画「ボヘミアン・ラプソディ」は、英国のロックバンド、クイーンの誕生から世界的成功を収めるまでを自伝風に描いた作品だ。代表曲の「ウィ・ウィル・ロック・ユー」「ウィ・アー・ザ・チャンピオン」、映画のタイトルにもなった「ボヘミアン・ラプソディ」などは日本でもよく知られている◆1973年にデビュー。日本ではエアロスミス、キッスと共に「ロックの御三家」として紹介され、バンドが世界的スターになるより早く人気を集めた。ボーカルのフレディ・マーキュリーも日本を好んだ。歌詞の一部が日本語の曲を発表したり、英国の邸宅に日本庭園を造ったりした◆91年11月24日、バンドは活動休止を余儀なくされる。フレディが45歳で病死したからである。HIV(エイズ)感染者であることを公表したのはその前日、わずか1日で帰らぬ人となった◆当時はまだ、HIVは不治の病であった。それ以上に、患者の多くが同性愛者であることから、特別な病気として偏見にさらされていた。フレディ死去のニュースは大きな衝撃をもって報じられた◆彼の死から27年、今では治療法が確立され、エイズは発症を抑えられるようになった。ただ、日本は主要先進国の中で唯一、エイズ患者が増え続けている。病気への偏見や無理解は、今なお克服の途上だ。12月1日、30年目の世界エイズデーが近い。(三輪万明)