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風鐸

宗教や社会の諸情勢について思いをつづるコラム。軒下につるした風鐸の音色のように、読者の心に響くことを願って……。

立て看板と大学

2018年12月5日付 中外日報

11月は学園祭シーズン。大学のまち・京都でも多くの大学で様々なテーマを掲げて趣向を凝らしたイベントが催され、キャンパスは若者の歓声であふれた。その中で一風変わっていたのが京都大(京都市左京区)の11月祭(NF)だ◆第60回のテーマは「NFテーマは当局により撤去されました」。立て看板規制を巡る大学側対応を皮肉ったものだ。実際、22~25日の期間中、従来なら大学周囲に林立するはずの立て看板はほとんど見当たらなかった◆発端は京都市が「立て看板は屋外広告物設置条例に違反する」として京都大に是正を行政指導したこと。歴史都市・京都らしい景観を守るため、というのが理由で、当初は規制に消極的だった大学当局も法令は順守せざるを得ず、5月に「立看板規程」を施行。残っていた看板を職員が強制的に撤去した◆これに学生らが「一方的だ」「政治弾圧」と反発。看板設置と撤去のいたちごっことなり、警官が出動する騒ぎも。設置支持派は「表現の自由」を掲げ、景観保護派は「大学だけ例外にできない」とする。双方の主張にはそれなりに理があり、市民の声も割れている◆京都大は「反戦自由」の学風と「大学自治」の伝統を誇る。そのシンボル的存在が立て看板だった、と学園祭に来た卒業生がしみじみ語った。立て看板と一緒に大学理念まで「撤去」するわけにはいくまい。(士竪俊一郎)