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風鐸

宗教や社会の諸情勢について思いをつづるコラム。軒下につるした風鐸の音色のように、読者の心に響くことを願って……。

インフルエンザ

2019年1月9日付 中外日報

新年早々インフルエンザにかかった。まず小学生の息子が感染し、大事に至らなければいいがと心配していたら、自分の体がやけに重く感じだした。熱を測ると38度を超えており、慌てて診察を受けに行くと案の定、同じA型だった。数日間、悪寒や吐き気、止まらぬ咳、体の節々の痛みに苦しんだ◆思い返せば、ここ数年は予防接種を受けていた。しかし昨年は何かと予定が立て込み、その時間を取ることをしなかった。本格的な冬に入る前に、テレビニュース等でワクチン接種を受けるよう呼び掛けていたが、大丈夫だろうと高をくくっていた。しばらくインフルエンザにかからなかったため、その苦痛と予防接種のありがたみを忘れていたのだった◆言い古された言葉だが「天災は忘れた頃にやって来る」という。関東大震災に遭遇した東京帝国大の物理学教授・寺田寅彦が、災害の調査研究を行った末に、人は災難の歴史を忘れやすく、同じ苦しみを繰り返してしまうと警告したものだ◆昨年は大きな地震や台風が相次ぎ、1年を表す漢字に「災」が選ばれた。平成の30年間には多くの災害が起きたが、すでに記憶が薄らぎつつあるのではないかと自省させられる◆備えは小さな労力で大きな損害を防ぐことになる。少しの手間を惜しんだばかりに招いた年始の病で、この1年は備えをおろそかにすまいとの思いを強くした。(有吉英治)