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倒壊した浄土真宗本願寺派法城寺の鐘突き堂(むかわ町)
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

序章(2/5ページ)

2012年1月12日付 中外日報

どこにいても仏教者

放射能汚染の地で奮闘

放射能汚染で警戒区域とされた福島県浪江町にある真言宗大聖寺の住職は遠方の避難先で、報道される死者リストに檀家の名前を見つけ、居ても立ってもいられなくなった。福島市内に家を借り、携帯電話や新聞広告まで使って檀家に「私はここにいます」と連絡し、供養に走った。

5月の町内への一時帰宅で、防護服の上から衣と袈裟を着け住民たちの前で犠牲者に読経した。皆が押し黙り、家族全員を亡くした少年がひとり呆然としている。胸が詰まり、マスクの下で唇をかんだ。

計画的避難区域の南相馬市の泉龍寺には「僧侶として残るのが当然」と住職がとどまり、日々勤行と供養を続ける。岩屋寺の老僧は「亡くなった方が呼んでいる」と北海道から寺に戻った。

県内では母乳にまでセシウムが検出される。真宗の副住職は「子どもたちから『こうなったのはお前のせいだ』と言われている気がする」と原発依存への反省を訴えた。

苦の現場に身を置き、働く宗教者たちがいる。