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田島の風外窟を訪れ、風外慧薫の生涯を学ぶ曹洞宗禅文化の会会員ら
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

序章(4/5ページ)

2012年1月12日付 中外日報

すべての人が救われる

宮城県ではキリスト教や神道、新宗教も含めた超教派が初めて結集し、弔いから生活、医療面の支え、心配事の相談、仮設住宅でのカフェなど幅広い活動を繰り広げる。

多くの人々の支援に走り回る、日本基督教団の牧師は「何の根拠がなくても『大丈夫ですよ』と言えるのが宗教者」という。「『キリストを信じれば救われる』ではなく、『全ての人が救われる』と信じることができるかどうか、信仰が試されているのです」

大阪・釜ケ崎で日雇い労働者や野宿者を支える真宗僧侶はいち早く被災地に駆け付け、ひたすら物資配送に携わった。

接した住民との縁で、悩みも打ち明けられ僧としての関わりもした。被災者に教えられることも多い。「自分よりもっと困ってる人にあげて」と。菩薩行とは。「私は阿弥陀さんに呼ばれているのです。教義があるからこそ動いていける」

自死念慮者への取り組みを続ける東京の住職も3月から厳寒の地を回り、悲惨な遺体が並ぶ安置所で読経を続けた。

そこで、一心に供養し土葬回避のため奔走する現地の住職の姿に圧倒された。檀家と深く心通わせ、信頼で結び付いている。その絆の力、地元の迫力に強く共感した。今、仮設住宅で訪問した被災者らに、手紙を出すなど長い付き合いで「伴走」すると決めている。