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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

死と向き合って 6(1/3ページ)

2012年1月26日付 中外日報
観音院には、震災1年を前にしても身元の分からない遺骨が安置されている(宮城県亘理町で)
観音院(宮城県亘理町で)

肉親土葬に凍りつく心

悲嘆癒やすことが供養

宮城県東部を縦に貫く国道6号。北は多賀城市から南の山元町まで約40キロ、その東の海側は津波で被災した地域が延々と続く。真言宗智山派観音院は国道西側、亘理町南部に位置する小高い丘の上にある。

白っぽい更地に掘られた幅2メートル、長さ30メートルの大きな溝のような穴の縁に、若い女性がしゃがみ込んでいた。

深さ1・5メートルの底に納められた棺をじっと見つめ、両手は爪に土が食い込むほど強く地面をつかんでいる。やがて、スコップでかけられた土で棺が見えなくなると無言で肩を震わせた。

同寺境内では、震災からしばらくたった3月22日から犠牲者計121人の仮土葬が行われた。

東北3県の被災地では膨大な遺体の扱いに困惑した。葬儀はもとより棺もなく死者が毛布にくるんだまま荼毘に付され、葬儀社も対応限界を超える。火葬場も設備が壊れたり、処理能力をオーバーしたりして稼働不能になった。

厚労省は3月14日に墓地埋葬法に基づく許可なしでの埋葬を認める方針を都道府県に通知し、宮城県では規則で土葬を禁じている市町村に対し容認の姿勢を示した。